広告心理学とは?
広告心理学とは、人間の心理的な特性や行動パターンを理解し、それを広告戦略に応用することで、広告の効果を最大化しようとする学問です。消費者が商品やサービスを認知し、興味を持ち、購買に至るまでの心理プロセスを分析し、それぞれの段階で効果的なアプローチを行うことを目的としています。広告心理学を理解することで、ターゲットとなる消費者の心に響くメッセージを作成し、広告の効果を向上させることに繋がります
まずは消費者の行動を理解しよう!AIDMA理論とは?
消費者の購買行動を説明する代表的なモデルが「AIDMA理論」です。AIDMAとは、以下の頭文字をとったものです。
- Attention(注意): 広告を見て注意を引く
- Interest(興味): 商品やサービスに興味を持つ
- Desire(欲求): 商品やサービスを欲しいと思う
- Memory(記憶): 商品やサービスを記憶する
- Action(行動): 商品やサービスを購入する
広告を作成する際には、このAIDMAの各段階を意識し、それぞれの段階で消費者の心を動かすような工夫が必要です。例えば、注意を引くためにはインパクトのあるキャッチコピーや画像を使用し、興味を持ってもらうためには商品の具体的なメリットを提示するなどが考えられます。
効果抜群!広告心理学の代表的なテクニック19選
広告心理学にはさまざまなテクニックがあります。ここでは、代表的なテクニック19選を具体例や広告運用への活用例とともに紹介します。
- ウィンザー効果
- バンドワゴン効果
- 同調効果
- 権威への服従原理
- アカリング効果
- シャルパンティエ効果
- 認定不協和
- フレーミング効果
- 噴水効果
- カリギュラ効果
- カクテルパーティー効果
- スノッブ効果
- アンダードッグ効果
- 吊り橋効果
- クレショフ効果
- ハロー効果
- 色彩心理学
- 決定回避の法則(ジャムの法則)
- ザイオンス効果
第三者の意見を活用する
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自社が「この商品はこういうところがすごくて…」と説明しても、ユーザーは「それってホントなのかな…?」と疑ってしまうものです。そこで他のユーザや権威者が「この商品はいいよ!」と太鼓判を押してくれると、商品の信頼性を高めることができます。
1. ウィンザー効果 - 第三者の評価は信用されやすい
広告配信者ではなく、第三者からの評価や口コミのほうが信頼されやすい効果です。顧客の声や専門家の意見などを活用し、商品の信頼性を高めましょう。
ウィンザー効果の活用例
- 顧客のレビューや評価を広告に記載する。
- 専門家や有名人、インフルエンサーの推奨コメントを掲載する。
2. バンドワゴン効果 - みんなが買ってると欲しくなる
多くの人が使っている商品やサービスは、それだけで魅力的に感じられる心理効果です。例えば、「〇〇で人気No.1!」「〇〇人が愛用!」といったキャッチコピーを使うことで、安心感や信頼感を与え、購買意欲を高めることができます。
バンドワゴン効果の活用例
- 広告クリエイティブでユーザーレビューやユーザー数を協調する。
- 「みんなが選んでいる」「顧客満足度〇%」というメッセージで、購入への抵抗感を減らす。
3. 同調効果- 周りの人と同じ行動を取りたくなる
自分の信念を曲げてでも、自分が所属している集団と同じ行動を取りたくなる心理です。レビューや口コミを広告で提示することで、ユーザーの購買意欲を高めることができます。
同調効果の活用例
- 「○○人が購入」「人気ランキング〇位」といった社会的な証明を示す。
- インフルエンサーマーケティングで、商品の人気や信頼性の高さをアピールする。
4. 権威への服従原理 - 権威ある人の意見には従いやすい
人は権威のある人の意見に従いやすいという心理効果です。専門家や有名人の推薦、権威ある賞の受賞歴などを載せることで、商品の信頼性を高めることができます。
権威への服従原理の活用例
- 専門家や有名インフルエンサーの推薦コメントを記載する
- 広告クリエイティブに公的機関の認証マークを表示する
キャッチコピーは「伝え方」に注意
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広告で重要な要素であるキャッチコピーですが、なんとなく決めてしまっては、ユーザーにせっかくの魅力を伝えることはできません。そこで心理学を利用し、より効果的なキャッチコピーを採用しましょう。
5. アンカリング効果 - 最初に提示された数字が基準になる
最初に提示された価格や情報が、その後の判断基準となる心理効果です。例えば、高価格の商品を最初に提示し、その後で割引価格を提示することで、お得感を強調し、購買意欲を高めることができます。
アカリング効果の活用例
- 通常価格と割引価格を並べて表示する。
- 「○○%オフ!」のような割引率を強調する。
6. シャルパンティエ効果 - 事実よりもイメージのしやすさ
事実よりも、イメージが先行してしまう心理現象です。例えば、「ビタミン○○mg配合!」より、「レモン〇個分のビタミン配合!」の方が、ユーザーにビタミンの含有量を感覚的に理解してもらうことができます。
シャルパンティエ効果の活用例
- 専門的な用語や数値は使わず、イメージしやすいキャッチコピーにする。
7. 認定的不協和 - デメリットを解消・打ち消す
人は自分の中に相反する認知があり、その認知が衝突した際に不快感を感じる心理効果です。その代表例がたばこです。喫煙者はたばこは健康に害があると認識しているのですが、それでも吸い続けているという矛盾した行動を続けてしまいます。この矛盾はストレスになり、このストレスを解消するために正当化を行います。たばこの例でいえば、「禁煙するとイライラするから、仕事に集中するために吸おう」などです。そこでマーケティングでは、商品やサービスのデメリットを把握し、それを打ち消す根拠またはデメリットを上回るメリットを提示することで、購入のハードルを低くすることができます。
認定的不協和の活用例
- あえて矛盾が生じるキャッチコピーを付け、ユーザーの関心を惹く(「食べれば痩せる!」など)。
- 商品の発送が遅いというデメリットを打ち消すために、「人気商品のため〇日待ち」というキャッチコピーを入れる。ユーザーは「待つほど人気な商品」だと認識する。
8. フレーミング効果 - メリットかデメリットか
同じ情報でも表現の仕方によって受け手の印象が変化する現象です。例えば「成功率90%」と「失敗率10%」では、前者の方がポジティブな印象を持ちますよね。得を基準に考えるか、損を基準に考えるかで印象が大きく変わります。
フレーミング効果の活用例
- 3つの価格設定を用意する。中間の価格設定は品質が良く、お手頃中格であるという印象を与えることができる。
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9. 噴水効果 - 喜ぶ情報を先に提示
顧客が喜ぶ情報を最初に提示することで、その後の行動を促す心理効果です。例えばデパートの1階に魅力的な商品を配置することで、上層階への集客も促すことができます。
噴水効果の活用例
- 「無料体験」や「○○プレゼント」などのコンテンツを広告で提供し、商品購入ページやサービス申し込みページに誘導する。
10. カリギュラ効果 - 禁止されると気になる
「〇〇しないでください」と禁止されると逆に興味を持ってしまう心理効果です。例えば、「絶対に見ないでください!」というキャッチコピーを使うことで、消費者の好奇心を刺激し、広告への注目を高めることができます。
カリギュラ効果の活用例
- 「知られたくない○〇の秘密」のように、あえて制限を設ける文言をキャッチコピーに設定する。
11. カクテルパーティー効果 -「自分だけ」と思せる
「カクテルパーティー」のように騒がしい場所でも、自分に関係のある情報や興味のある情報を自然と聞き取れる現象です。この効果は広告で特定のターゲット層に響くメッセージを届ける際に有効です。
カクテルパーティー効果の活用例
- ターゲットユーザーの属性や興味に合わせた、パーソナライズド広告を配信する。
- 特定の業界や職種向けの専門的な広告コピーを作成する。
12. スノッブ効果 - 限定をアピールして購入意欲をアップ
他人が持っていないものや希少性の高いものを欲しがる心理です。商品やサービスの希少性をアピールすることで、ユーザーの購買意欲を高めることができます。
スノッブ効果の活用例
- 広告文で「限定〇個」「会員限定」など希少性を訴求する。
- 高級感や特別感を演出するクリエイティブを作成する。
13. アンダードッグ効果 - 弱い立場にあるものは応援したくなる
弱い立場や不利な状況にあるものを応援したくなる心理です。中小企業やベンチャー企業の場合、大企業よりマーケティングや認知度で不利になる場合が多いでしょう。逆にその不利な状況をアピールすることで、ユーザーの関心を惹くことができます。
アンダードッグ効果の活用例
- 「○○に挑戦する」「○○を応援する」といった共感を求める広告文を作成する。
- ストーリー性のある広告で、ユーザーの感情に訴える。
14. 吊り橋効果 - ドキドキを提供し関心を得る
危険な状況やドキドキする体験をすると恋愛感情が高まりやすくなる心理です。困難を乗り越えた人物には、親近感や共感を抱きやすくなります。広告で困難なエピソードをアピールしすることで、ブランドイメージの向上に繋がります。
吊り橋効果の活用例
- 商品開発や起業までの経緯など困難を乗り越えたエピソードを広告でアピールする。
その他 - 広告デザインやターゲティングにも心理学を活用しよう
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ここまで、主に広告キャッチコピーに関する心理学を紹介しましたが、もちろん広告デザインやターゲティングなど、あらゆる広告の要素に心理学を活用することができます。
15. クレショフ効果 - 複数の映像を組み合わせ関心を惹く
本編と直接関係はなくても、直前の映像情報により受け手の印象が変化する現象です。例えば航空券・ホテル比較サイトの広告の場合、海外の素晴らしい景色やおいしそうな料理の映像を入れることで、ユーザーの旅への意欲を高め、結果的にサイトへの誘導に繋がります。このように広告で複数の画像・動画を組み合わせることで、ユーザーへ与える影響を高めることができます。
クレショフ効果の活用例
- 商品を使用する前と後の映像を組み合わせ、効果を強調する動画広告を作成する。
16. ハロー効果 - 目立つ特徴に評価が引きずられる
ある対象を評価する際、目立つ特徴に引きずられ、全体の評価がゆがんでしまう心理現象です。例えば有名インフルエンサーが商品を紹介すると、その商品自体の評価が目立たなかったとしても、インフルエンサーの評価に引っぱられ商品全体の評価が上がってみえます。
ハロー効果の活用例
- 高級感や信頼感のある広告クリエイティブを採用することで、商品の高級感を演出する。
- アフィリエイト広告でインフルエンサーに商品・サービスを紹介してもらう。
17. 色彩心理学 - 色で与える印象を変化
色が人の心理に与える影響を利用するテクニックです。広告の目的に合わせて適切な色を選択することで、ユーザーに与える印象をコントロールすることができます。
色彩心理学の活用例
- 赤色:購買意欲を高める、緊急性を促す
- 青色:信頼感を与える、安心感を抱かせる
- 緑色:安心感や調和を感じさせる
18. 決定回避の法則(ジャムの法則)- 選択肢を狭めて即決断させる
選択肢が多いと人は決断を先延ばしにする心理です。逆に選択肢を絞り込み、シンプルに提示することで、ユーザーの購買意欲を高めることができます。
決定回避の法則(ジャムの法則)の活用例
- おすすめ商品や人気商品をピックアップして紹介する。
- 動的リマーケティング広告で、ユーザーの興味関心に即した広告を配信する。
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19. ザイオンス効果 - 何度も見ると好感度UP!
繰り返し接触することで、好感度や親近感が増す心理効果です。例えば、同じ広告を複数のメディアで繰り返し配信したり、リターゲティング広告を活用したりすることで、消費者の記憶に残りやすくし、購買行動を促すことができます。ただ、広告の表示回数(フリークエンシー)が多すぎてもユーザーに不快感を与えてしまいます。適切なフリークエンシーについては関連記事をご覧ください。
ザイオンス効果の活用例
- 同一の広告キャンペーンを複数の広告媒体、広告形式で配信する。
- 動画広告をシリーズ化し、継続的に配信する。
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広告運用にお悩みの方は、広告代理店への依頼がおすすめ!
ここまで心理学を広告運用に活用する方法を解説しましたが、「そうはいってもなかなか改善は難しい…」「広告戦略が頭打ちだ…」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方には、広告代理店への依頼がおすすめです。free web hopeは広告クリエイティブの作成や広告運用はもちろん、PR記事やLPの作成まで、webマーケティングに関するあらゆる分野のノウハウ・経験があります。本章では、一例としてPR記事の作成に携わった事例をご紹介します。
【事例】目標CV達成率140%超!サービスの認知度向上にも寄与した“筋フルエンサー”記事はどう作られた?

デジタル広告の「制作」から「改善」まで全工程をワンストップで完結させる、デジタルマーケティングプラットフォーム「Squad beyond(スクワッド ビヨンド)」を運営する株式会社SIVA。
同社代表取締役 杉浦稔之様は、Squad beyondによってデジタル広告運用における「作業工数の削減によるコスト削減」と、「費用対効果を向上による売上増」を同時並行で提供することを目指されていらっしゃいます。
杉浦稔之様と、本プロジェクトでPR記事のライティングを担当したfree web hopeの黒須仁美が、お取り組みを振り返りました。
抱えていた問題
- お客様に適切なベネフィットを伝えるための第三者視点がほしい
- Squad beyondを知らない人にも認知と理解をしてもらう
free web hopeのソリューション
- PR記事の企画
- PR記事制作
- 本サービスを利用した上でのLP制作
- 広告運用戦略の策定
- 広告運用実行支援
- EFO/LPOの設計/実行
- バナーABテスト設計/実行
得られた成果
- 目標CV数達成率 140%超え
- CPAも目標より5,000円以上低くなった
- 会社の知名度が向上
エンタメ色の強い企画に決まった背景はなんでしょうか。

杉浦様:Squad beyondを知らない人にも認知と理解をしてもらうために、第三者からの言及が欲しかったからです。目指している世界観を実現するためには、熱量の高い第三者からの口コミにたくさん触れてもらう必要があります。そのために波及力があり、熱量が高く第三者にしか出来ない企画を求めました。
黒須:通常BtoBプロダクトのPR記事は、いわゆる太鼓持ちな“使ってみた記事”が散見され、そもそも読まれにくいものもあります。
そこで、認知獲得のためのPR記事は、プロダクトの紹介とともに読み物としてのおもしろさにフォーカスしました。“筋フルエンサー”を起用したのは、そのおもしろさとともにSquad beyondを認知していない広告運用担当者に追体験をしてもらうためです。
運用後、課題は解決されましたか?
杉浦様:課題であったプロダクトの提供するベネフィットが適切にお客様へ伝わり、定量・定性で効果がありました。
定量面は、企画を実施した1ヶ月で「CV:53件|CVR:2.15%|CPA:¥9,562」の実績が出ました。当初想定していたCV数からの達成率は140%を超えています。CPAも目標より5,000円以上低い結果でした。本企画終了後は、納品いただいたLPを再利用して自社でLPを作成・運用していますが、そこからもCVが発生してます。それだけ優れたLPを作成いただけたと感じています。
定性面の効果は、会社の知名度が向上したことです。本企画がSNSでバズったおかげで、社員が「あのSquad beyondの会社で働いているの?」と声を掛けられる機会が増えたようです笑
【詳しいインタビューはこちら】
目標CV達成率140%超!サービスの認知度向上にも寄与した“筋フルエンサー”記事はどう作られた?
まとめ - 広告心理学を活用して売上アップを目指そう!
広告心理学は、消費者の心理を理解し、広告の効果を最大化するための強力な武器です。今回紹介したテクニックをぜひ広告戦略に取り入れてみてください。この記事が広告運用改善のお役に立てれば幸いです。
株式会社free web hope はCX(顧客体験)とデータサイエンスを広告戦略に組み込み事業成長を支援する広告代理店です。
長年の経験で積み上げた独自のフレームワークで、データサイエンスに基づく予測分析と市場調査を行い、「顕在層」だけでなく「準顕在層」にまで視野を広げ戦略的運用を提供しています。
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監修者:古瀬純功
free web hopeの広告運用コンサルタントとして、広告運用支援やweb解析、ダッシュボード作成を担当:Xアカウント