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行動経済学「フレーミング効果」で売上を劇的に上げる方法

    マーケティングにおいて、心理効果を学ぶことは非常に重要だ。 本日はフレーミング効果という心理実験を基にした人々の行動についてお伝えしたい。 是非、あなたのWEBページや、キャッチコピーを作る際の参考にしていただければと思う。

    フレーミング効果とは?

    ある選択肢の判断を人が行う場合、その絶対的評価ではなく、自己の参照点(基準点)との対比において比較されるため、絶対評価とは異なる判断を導く可能性があるという効果のこと。

    ここであなたに質問をしようと思う。まず第1問。

    • A)100%の確率で1万円もらえる賭け事
    • B)10%の確率で10万円もらえるが、外れると何ももらえない賭け事

    さて、あなたならどちらを選ぶだろうか?

    第2問。先程とは反対のことが書いてある。

    • A)100%の確率で1万円失う賭け事
    • B)10%の確率で10万円失うが、90%の確率で何も失わない賭け事

    さて、あなたならどちらを選ぶだろうか?

    これは心理学の問題として非常に有名なので、聞いたことがある人もいるだろう。 問題1、2どちらも数学的には期待値が同じだ。 しかし、問題1の場合はほとんどの人が[A]を選び、問題2の場合は[B]を選んでしまう。

    問題1のように”得”を基準にすると
    「90%の確率で何ももらえないなら、100%確実に1万円もらっておこう!」
    と考える。

    問題2のように”損”を基準にすると
    「100%の確率で1万円失うよりは、90%の確率で損しない方を選んでおこう!」
    と考える。

    得を基準に考えるか、損を基準に考えるかで印象が大きく違ってくるというものだ。

    フレーミング効果の実験事例

    さて、もう少し具体的な実験例を見ておこう。 米国ダートマス大学経営学部のブーナン・ケラー教授が心理実験を行ったテーマは乳がん検診の重要性だ。

    • A)早期に発見できれば、治療の幅が広がります
    • B)早期に発見しないと、治療の幅が狭まります

    あなたは、どちらが乳がん検診の重要性をアピールできたと思うか?

    実験結果は恐怖心を煽られたBのほうが、乳がん検診を受ける人が増えたというものだった。 ネガティブ基準にしたほうが、相手を説得することに成功したというわけだ。 もちろん、反対のケースもある。

    米国ミネソタ大学のアレクサンダーロスマン博士によると、患者に手術を受けさせる場合に、「600人中400人が死にます」と言うより、「600人中200人は助かります」と言った方が患者の承諾率が上がったという。 「死ぬ」ということではなく、「助かる」ことに焦点を当てただけで、患者を「それなら手術を受けてみよう」という気持ちにさせることができたのだ。

    このように私たちは、全く同じものを見ていながら、言葉の使い方によって、正反対の判断を下すことが往々にしてある。

    ⇒ お金に縁のある人、ない人の心理法則 著者: 内藤誼人

    これらの事から1つわかることがある。

    根本的に、動物は危機を回避する生き物だ。 身に迫る危機を感じたとき、頭よりも先に体が動くようにプログラミングされている。 人にとって一番回避しなければならない事は、痛みや恐怖、苦痛なのである。

    上記の例ではポジディブな言い回しの方が承諾書がとれたわけだが、裏返すと、「死」という危険から逃れたいモチベーションなのだ。 つまり、簡単に表すと、「痩せる方法」よりも「太らない方法」等、根源的な恐怖から逃れたい欲求を満たすようなライティングを意識するのも良い。

    フレーミング効果が商品価格に与える心理

    フレーミング効果が与える人間心理を利用して、商品の価格決定に活かしている事例はいくらでもある。

    消費者にわかりやすく明言する

    例えば、コンビニの「100円均一セール」というキャッチコピーがある。 これはセブンイレブンが展開し、瞬く間に各コンビニが使い始めたコピーだ。 これまで小売業では「2割引き」「20%OFF」と表示することが多かったが、「100円均一」と表示することで購買意欲を上げることに成功した。

    もちろん、全商品を通して見ると実質的な期待値は変わらない。 また、もう使えなくなってしまったが、「8%引き」と謳うよりも、「消費税還元セール」と謳ったほうが効果が高いことも有名だ。 「閉店セール」も同じ効果を持っている。

    比較対象を価格から逸らす

    500円のお弁当と700円のお弁当を売っている弁当屋では、500円のお弁当のほうが売れ行きが良かったが、1ランク上の1000円のお弁当を出したところ、700円のお弁当が一番売れるようになったという。

    500円と700円の2つしかない場合、どうしても比較検討事項に価格がピックアップされがちになってしまい、安い方を選択してしまう心理が働く。 だが、プレミアムプライシングを追加することで、単純に価格が安いものよりは多少品質が良いもの=700円のお弁当、という心理が働くようだ。

    この効果を利用した「オリジン弁当」は、1種類だった幕の内弁当を450円、上490円、特上690円の3種類に増やした。これにより「上490円」が一番売れ、幕の内弁当の売上は前年同月に比べ78%増となった。

    フレーミング効果で顧客の購買心理を変える

    WEBマーケティングでは、実際に商品を手に取って検討することは難しい。 そのため、印象の良し悪しが、顧客の購買心理に大きな影響を及ぼすことが多い。 価格以外でもフレーミング効果を使うことにより、あなたの商品をより魅力的に印象付けることが可能になる。

    例)1粒当たり100mgのプラセンタが配合されている1瓶30粒入の健康食品がある。1日1粒飲むものだとする。

    • 「1粒あたり100mgのプラセンタが配合されています。毎日1粒飲んでください。」
    • 「なんと1ヶ月で30,000mgのプラセンタを摂取することができます!」

    どちらの方が顧客の購買心理に影響を与えるキャッチフレーズなのかはすぐにわかるはずだ。

    リフレーミング効果とその活用法

    さて、フレーミング効果に似たものとして、リフレーミング効果がある。 簡単に説明すると、マイナスをプラスに転化して物事を考えたり、捉えさせたりする効果のことだ。

    リフレーミングの事例として一番有名なものは「コップにある半分の水を見て、”もう半分しかない”と考えるか、”まだ半分もある”と考えるか」という例えである。 このリフレーミング効果はUSPの設定において、非常に効果を発揮する。 「WEBマーケティングを真剣に考えるためのUSP設定方法」こちらの記事でも以下のように、USP設定の事例にリフレーミング効果を用いている。

    もし競合他社よりも規模が小さければ、「フットワークが軽い」と謳おう。 もし競合他社よりも金額が高ければ、「サービスNo1宣言」を謳おう。(*ただしそれらを裏付ける実証データは必要だ)

    最後に

    フレーミング効果は対象をフレームに当てはめて効果的に誘導するための考え方、リフレーミング効果はフレームを外してマイナスをプラスに変化させ、対象に効果的に見せるための考え方と捉えるとわかりやすいだろう。

    今回は特にフレーミング効果を活用して、商品の値段設定、また、キャッチコピーの作成に活かしていただきたい。

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