WEB広告の競合調査をする理由とは?
競争の激しい広告業界で生き残るためには、競合の動向を常に把握し、自社の広告戦略を最適化することが不可欠です。まずは、WEB広告の競合調査をするメリットについて解説します。
【1】競争の激しい広告業界で生き残るために必要
競合調査は市場における自社の立ち位置を把握し、自社のボトルネックを特定することに役立ちます。例えばリスティング広告の場合を考えてみましょう。リスティング広告は出稿すれば必ず掲載されるとは限りません。競合との広告予算や広告品質の違いによって、広告掲載順位が変化します。上位に掲載され、CTR(クリック率)を改善するためには、競合の出稿状況を把握し、自社に足りていない部分はどこなのかを分析することが必須です。
【Google広告リスティング広告の掲載順位についてはこちら】
【Google広告ランク】改善には「品質スコア」が鍵!両者違いも解説
【2】競合の強みや戦略を把握できる・自社の戦略の方向性を確認できる
競合がどのような広告戦略を展開しているかを分析することで、自社の戦略に活かすことができます。例えば競合がどのようなターゲティング戦略を取っているのかを調査し自社のターゲティング戦略と照らし合わせることで、自社戦略の方向性が適切であるかどうかを分析することができます。
【3】競合との差別化に役立つ
前項で、競合調査は競合の強みや戦略を把握できる点で役立つと述べましたが、もう一段階上の成果をあげるためには、競合との差別化を図り、自社独自の点をユーザーにアピールする必要があります。そこで競合の戦略を知ることで、自社の差別化ポイントの発見に繋がるのです。例えば、競合が暖色系を基調とした広告クリエイティブを採用しているとわかれば、自社は寒色系のクリエイティブを作成すれば差別化を図れると分るのです。
WEB広告で競合調査をする手順
それでは、具体的にWEB広告の競合調査をする手順について解説します。なお、手順の詳細については後の章で解説します。
Step1. 競合となる企業やサービスを特定する
自社のビジネス領域において、競合となる企業やサービスをリストアップします。直接的な競合だけでなく、間接的な競合や潜在的な競合も考慮に入れましょう。例えば自社が扱っている商品を販売している競合だけでなく、その商品の類似品も競合リストとして調査しましょう。
Step2. 競合の情報を収集する
競合のWEBサイト、SNSアカウント、広告などを調査し、情報を収集します。収集する情報のリスト、ツールについては後の章で解説します。
Step3. 収集した情報を分析・評価する
収集した情報を分析し、競合の強み、弱み、戦略などを評価します。競合の分析結果と自社の広告戦略を比較し、改善点や差別化のポイントを見つけます。情報を分析・評価するためのフレームワークについては後の章で解説します。
Step4. 調査結果をもとに、戦略を立案する
分析結果に基づき、自社の広告戦略を立案・修正します。競合の強みを参考にしつつ、自社の強みを活かした戦略を立てることが重要です。
Step5. 効果測定と改善
広告運用を開始したら、定期的に効果測定を行い、分析結果に基づき改善を繰り返します。また、自社の広告運用の効果を測定するのに加え、競合調査も定期的に行うようにしましょう。Step1~5のPDCAを回すことが重要です。
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【Step2】競合調査で収集する情報チェックリスト
それでは、具体的に競合調査ではどのようなポイントに注目し、どのような情報を収集するべきでしょうか?この章では12のチェックリストを紹介します。
- 広告出稿状況
- 出稿媒体と形式
- 出稿キーワード
- 掲載状況
- インプレッションシェア
- 広告予算
- 広告クリエイティブ
- 広告文と訴求ポイント
- バナーや動画のデザイン
- 広告ターゲティング
- ターゲット層
- 配信地域とデバイス
- 広告戦略
- キャンペーン内容
- 広告の目的
- 自社の独自性
1. 広告出稿状況
出稿媒体と形式
- どのWEB広告媒体(Google広告、Yahoo!広告、SNS広告など)を利用しているか。
- どのような広告フォーマット(テキスト広告、ディスプレイ広告、動画広告など)を採用しているか。
出稿キーワード
- どのようなキーワードで出稿しているか。
- キーワードの組み合わせやロングテールキーワードの活用状況。
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掲載状況
- 競合・自社のリスティング広告の順位。
- どのくらいのフリークエンシー(表示頻度)か。
- どのくらいのリーセンシー(表示間隔)か。
※フリークエンシー・リーセンシーとは
フリークエンシーとは1人のユーザーに対して1つの広告が表示される回数、リーセンシーとは1人のユーザーに大して広告が表示される間隔を指します。例えば広告AがユーザーAに対して4月1日、2日、3日に表示されたとします。この場合、広告Aは計3回、毎日表示されているため、フリークエンシーは3回、リーセンシーは1日になります。
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フリークエンシーとは│適切な回数やリーチとの違い、設定方法を解説
【web広告】リーセンシーとは│意味やフリークエンシーとの違いを解説
- 掲載順位は平均どのくらいか。
インプレッションシェア
- インプレッションシェアはどれほどか。
※インプレッションシェアとは
インプレッションシェアとは、広告が表示される機会に対して、実際に表示された割合を表します。
インプレッションシェア=表示回数÷広告が表示可能だった合計回数
Google広告の場合、「広告が表示可能だった合計回数」とは、ターゲット設定、承認状況、広告の品質などの要因を考慮して見積もられます。この割合が高ければ高いほど、広告が無駄なく出稿されているということです。
引用:インプレッション シェアについて - Google 広告 ヘルプ
広告予算
- 競合の広告予算規模はどれほどか。
- クリック単価はどれほどか。
- 業界の競争の激しさはどれほどか。
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2. 広告クリエイティブ
広告文と訴求ポイント
- どのようなキャッチコピーや説明文を使用しているか。
- どのような顧客ニーズや課題に焦点を当てているか。
- 競合独自の強みやセールスポイント(USP)は何か。
バナーや動画のデザイン
- デザイン傾向(色彩、レイアウト、画像など)はどのようなものか。
- デザインにより、視覚的にどのような印象を与えるか。
3. 広告ターゲティング
ターゲット層
- どのようなユーザー属性(年齢、性別、地域、興味関心など)をターゲットにしているか。
配信地域とデバイス
- どの地域やデバイスに重点的に広告を配信しているか。
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4. 広告戦略
キャンペーン内容
- どのようなキャンペーンやプロモーションを展開しているのか。(数量限定や期間限定セールなど)
広告の目的
- 認知度向上、見込み客獲得、コンバージョン促進など、どのような広告目標を設定しているのか。
自社の独自性
- 自社の広告戦略における強みと弱みはなにか。
- 自社の独自のポイントは何か。そのポイントをどのようにすればユーザーに伝えることができるか。
【step2】各広告媒体で競合調査を行う手順
それでは、実際にGoogle広告・Yahoo!広告・Meta広告の3広告媒体で競合調査を行う手順について解説します。
Google広告で競合調査を行う方法(オークション分析レポート・キーワードプランナー)
Google広告では、主にオークション分析レポートとキーワードプランナーの2つの機能を用いて競合調査を行うことができます。
オークション分析レポート
Google広告のオークション分析レポートでは、競合のインプレッションシェアや重複率などを、競合と比較して分析することができます。
1.Google広告の管理画面にアクセスし、キャンペーンアイコンをクリック
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2.分析したい広告にキャンペーンにチェックし、オークション分析をクリック
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3.自社と競合の分析状況が表示される
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分析項目
- インプレッションシェア:広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数の割合
- 広告の重複性:表示回数全体のうち、競合と同時に表示された割合
- 上位掲載率(検索広告のみ):表示回数全体のうち、自社以外で表示された競合の広告がある場合、競合の広告が上位に表示された割合
- 上位表示率(検索広告のみ):表示回数全体のうち、自社の広告が自然検索枠の上位に表示された割合
- 最上部表示率(検索広告のみ):表示回数全体のうち、自社の広告が、検索結果表示ページの最上部(1位に表示された割合)
- 優位表示シェア:オークションで自社の広告が、競合の広告よりも上位に掲載された割合、または自社の広告のみが表示された割合
引用:オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する - Google 広告 ヘルプ
キーワードプランナー
キーワードプランナーでは、競合が重視しているキーワードや、競争率の高いキーワードを分析します。
Google広告の管理画面から、ツール>キーワードプランナーで表示されます。
「新しいキーワードを見つける」で新しいキーワードを作成し、「検索ボリュームと予測のデータを確認する」で既存のキーワードをアップロードします。
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Yahoo!広告の競合調査方法(オークションインサイト)
次に、Yahoo!広告の競合調査方法を解説します。
オークションインサイト
オークションインサイトでは、同じオークションに参加している自社と他社の掲載結果を比較することができます。
1.広告管理ツールで検索広告のアカウントを表示します。
2.画面右上にある「ツール」をクリックします。
3.「運用支援」の「オークションインサイト」をクリックします。

4. オークションインサイトのデータを確認する「階層」と「対象」を選択し、「適用」ボタンを押します。なお、「対象」では複数の入稿アイテムを選択できます。

5. オークションインサイト画面が表示されます。

表示される項目
- インプレッションシェア:広告表示機会に対して、実際に広告が表示された割合
- ページ上位表示率:自社の広告が検索結果表示ページの上位に表示された割合
- ページ最上部表示率:自社の広告が検索結果表示ページの最上部に表示された割合
- 自社との重複率:同じ広告オークションに参加した他社の広告が、自社の広告と同時に検索結果表示ページに表示された割合
- 他社の上位表示率:同じ広告オークションに参加した他社の広告が、自社の広告よりも、検索表示ページで上位に表示された割合
- 自社の優位表示率:自社の広告が、検索結果表示ページで他社の広告よりも上位、または自社の広告のみ表示された割合
引用:オークションインサイトについて - ヘルプ - Yahoo!広告
Meta(Facebook、Instagram)広告の競合調査方法(広告ライブラリ)
次に、Meta広告(Facebook、Instagram)が提供するツールを活用します。
広告ライブラリ
広告ライブラリでは、FacebookやInstagramで配信されている広告を検索し、競合の広告クリエイティブやターゲット設定を確認することができます。広告を出稿していなくても、だれでも利用することができます。
1.Meta広告ライブラリにアクセスし、地域、広告カテゴリ、キーワードもしくは組織名を入力します。
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2.キーワードで検索した場合は、そのキーワードで出向されている広告が、組織名で検索した場合は、その組織が出稿している広告一覧を見ることができます。また「広告の詳細を見る」ボタンをクリックすると、その詳細が確認できます。
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表示される項目(政治に関連しない広告の場合)
- クリエイティブ
- 広告が掲載されたページ
- 広告掲載開始日
- ページの透明性(ページやリンク済みのアカウント、ページ履歴、ページを管理している組織、ページ管理者の居住国など)
- 特別なカテゴリ(住宅、雇用、金融商品およびサービス)の指定
引用:Meta広告ライブラリについて | Metaビジネスヘルプセンター
【Step3】競合調査で役立つフレームワーク
ここでは、先ほどのWEB広告で競合調査をする手順の章で解説した、競合調査の結果を分析する際に役に立つフレームワークをご紹介します。
①SWOT分析
Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素から分析するフレームワークです。この際、自社だけではなく競合の分析も同時に行いましょう。
WEB広告の競合調査にSWOT分析を活用する例
Strength(強み)
競合の強み
- 特定の広告プラットフォームでの運用実績が豊富
- クリエイティブ制作の内製化による迅速な対応
- データ分析に基づいた高度なターゲティング
自社の強み
- 特定の業界に特化した専門的な広告を配信している
- 独自の広告技術やツール
Weakness(弱み)
競合の弱み
- 特定の広告フォーマットへの対応が遅れている
- 顧客サポート体制が不十分
自社の弱み
- 広告予算が競合に比べて少ない
- クリエイティブ制作のリソースが不足している
- 最新の広告トレンドへの対応が遅れることがある
Opportunity(機会)
競合の機会
- 新しい広告プラットフォームの登場
- 特定の地域やターゲット層の市場拡大
- 広告技術の進化による効率化
自社の機会
- 競合が手薄なニッチ市場の開拓
- 顧客データの活用によるターゲティング精度向上
- 動画広告など、成長分野への参入
Threat(脅威)
競合の脅威
- 競合企業の積極的な広告投資
- 広告プラットフォームのアルゴリズム変更
- 景気変動による広告予算の削減
自社の脅威
- 競合との価格競争の激化
- 広告効果の低下によるROI悪化
- 個人情報保護規制の強化によるターゲティング精度の低下
②3C分析
Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から分析するフレームワークです。競合の顧客層や強み・弱みを把握し、自社の立ち位置を明確にするのに役立ちます。
WEB広告の競合調査に3C分析を活用する例
Customer(顧客)
- 自社・競合のターゲット層の属性
- 自社・競合の顧客のニーズや課題
- 自社・競合の顧客の購買行動や情報収集チャネル
Competitor(競合)
競合の広告戦略
- 競合の広告運用目標
- 競合のターゲティング
- 競合の広告出稿状況(媒体、フォーマット、キーワードなど)
- 競合の広告クリエイティブ(広告文、バナー、動画など)
- 競合のターゲティング(ターゲット層、配信地域、デバイスなど)
- 競合の強みと弱み
Company(自社)
自社の広告戦略
- 自社の広告運用目標
- 自社のターゲティング
- 自社の広告出稿状況(媒体、フォーマット、キーワードなど)
- 自社の広告クリエイティブ(広告文、バナー、動画など)
- 自社のターゲティング(ターゲット層、配信地域、デバイスなど)
- 自社の強みと弱み
③PEST分析
Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの外部環境要因を分析するフレームワークです。広告業界を取り巻く外部環境の変化を把握し、長期的な視点で戦略を立てるのに役立ちます。
WEB広告の競合調査にPEST分析を活用する例
Politics(政治)
- 個人情報保護規制の強化
- 広告規制の動向
- プラットフォームに対する規制
Economy(経済)
- 景気変動による広告予算の変化
- 消費者の購買意欲の変化
- 為替レートの変動(海外向け広告の場合)
Society(社会)
- 消費者の価値観やライフスタイルの変化
- ソーシャルメディアの利用状況の変化
Technology(技術)
- AIを活用した広告自動化
- 新しい広告フォーマットの登場
- データプライバシー技術の進化
④ファイブフォース分析
アメリカの経営学者マイケル・ポーターが提唱した、業界の収益性を決定する5つの競争要因を分析するフレームワークです。5つの要因とは、「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」「業界内の競争」を指します。これらの要因を分析することで、業界の構造や競争環境を把握し、自社の競争戦略を立てることができます。
WEB広告の競合調査にファイブフォース分析を活用する例
新規参入の脅威
広告プラットフォームのAPI公開状況や、広告ツールの普及度を分析し、新規参入の障壁を評価します。
例:AIを活用した広告自動化ツールの登場は、新規参入を容易にする可能性があります。
業界内の競争
競合企業の広告予算、クリエイティブ、ターゲティングなどを分析し、競争の激しさを評価します。
例:特定のキーワードにおける入札単価の変動を監視し、競合の動向を把握します。
⑤STP分析
Segmentation(市場細分化)、Targeting(ターゲット設定)、Positioning(ポジショニング)の3つのステップで、マーケティング戦略を立案するフレームワークです。市場を細分化し、ターゲット顧客を明確にし、自社の製品やサービスをどのように位置づけるかを決定します。
WEB広告の競合調査にSTP分析を活用する例
Segmentation
競合がどのような顧客層(年齢、性別、興味関心など)をターゲットにしているかを分析します。
例:競合の広告クリエイティブやランディングページの内容から、ターゲット層を推測します。
Targeting
競合がどのセグメントに注力しているかを分析し、自社のターゲット戦略を検討します。
例:競合が特定の地域やデバイスに重点的に広告を配信している場合、自社は別のセグメントを狙うことも考えられます。
Positioning
競合の広告メッセージやブランドイメージを分析し、自社の差別化ポイントを明確にします。
例:競合が価格競争を重視している場合、自社は品質やサービスで差別化を図ります。
⑤バリューチェーン分析
企業の事業活動を、価値を生み出す一連の活動(バリューチェーン)として分析するフレームワークです。主要活動(製造、販売、物流など)と支援活動(調達、人事、技術開発など)に分け、各活動における強みと弱みを評価します。
WEB広告の競合調査にバリューチェーン分析を活用する例
広告クリエイティブ制作
競合の広告クリエイティブ制作プロセスや体制を分析し、自社の強み・弱みを評価します。
例:競合が動画広告に強みを持っている場合、自社は静止画広告で差別化を図ることも考えられます。
広告運用
競合の広告運用体制や使用ツールを分析し、効率性や効果を評価します。
例:競合が広告効果測定に高度なツールを使用している場合、自社も同様のツール導入を検討します。
顧客データ分析
競合の顧客データ収集・分析方法を分析し、顧客理解の深さを評価します。
例:競合が顧客の購買履歴や行動データを活用している場合、自社もデータドリブンな広告運用を推進します。
【Step4】競合調査をWEB広告運用に活用するポイント
競合調査の結果が得られたら、具体的な広告運用改善策を立案・実行しましょう。本章では、競合分析をWEB広告運用に活用するポイントについてご紹介します。
- 入札戦略の見直し
- 広告クリエイティブの改善
- 配信ターゲティングの最適化
【1】入札戦略の見直し
競合の入札単価を分析して適正価格を設定しましょう。競合より予算が多い場合は低く、少ない場合は高く設定しましょう。また、広告キャンペーン予算配分を最適化し、効果の高い広告に投資しましょう。競争が激しいキャンペーンは予算の見直しをしましょう。
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【2】広告クリエイティブの改善
競合の成功パターンを参考にしながら独自性を出すことを意識しましょう。競合がターゲットに設定しているユーザーの好みを分析するのもよいですが、差別化を図るためになるべく同じようなクリエイティブにしないよう、意識しましょう。
【3】配信ターゲティングの最適化
競合と同じターゲット層を狙うのか、新しい市場を開拓するのかを決めましょう。競合と同じタイミング
また、競合性が低い媒体や、広告種類への出稿も検討してみましょう。競合性が低い広告媒体は、広告予算を低く抑えつつも、ユーザーの集客を効率よく進めることができます。
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WEB広告の競合調査を成功させるためのポイント
最後に、WEB広告の競合調査を成功させるための3つのポイントについて解説します。
- 競合調査のタイミング
- 仮説を立てて検証する
- 競合との差別化を考える
【1】競合調査のタイミング
定期的に競合の動向をチェックしましょう。市場の変化に迅速に対応できるように、定期的に分析をすることが重要です。また、季節の影響を受ける業界の場合は、その影響を同時に分析しましょう。また次のイベントが始まった際に、どのような影響が生まれるのかを予測することに役立ちます。
【2】仮説を立てて検証する
競合調査を行う際は、必ず仮説を立て、ひとつひとつの要素を地道に検証しましょう。例えばGoogleリスティング広告で、競合より掲載順位が低い場合を想定してます。Googleリスティング広告の掲載順位には、入札単価だけではなく、広告の質も影響します。なので、競合より掲載順位が低いからといって闇雲に入札単価を下げても、掲載順位が改善されるとは言えません。課題を細分化し、どのがボトルネックなのかを分析しましょう。
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【3】競合との差別化戦略を考える
競合調査の結果を広告戦略に活用する際は、競合との差別化戦略を考えましょう。まずは競合調査で競合の強みと弱みをリストアップしましょう。その後、競合との差別化ポイントを明確にします。特に、広告クリエイティブ作成時には、競合との差別化を図り、ユーザーに独自性をアピールしましょう。同じ好みを持つユーザーをターゲットにするのもいいですが、同じような広告クリエイティブにしてしまうと、ユーザーが競合との違いを認識できない他、「パクリ」でないかとブランドイメージの低下にもつながります。また、価格戦略やオファーの違いを明確にすることも、ユーザーの購入意欲を高める上で有効です。
WEB広告の競合調査に広告代理店への依頼がおすすめ!広告代理店へ依頼するメリットとは?
ここまでWEB広告の競合調査をする方法や、ポイントについて解説しました。しかし、マーケティング担当者の中には「競合調査をするリソースやノウハウがない…」「競合との差別化を図っているつもりなのに、なかなか成果を出すことができない…」とお悩みの方はいらっしゃいませんか?
そのような方には、WEB広告の競合調査を広告代理店へ依頼することがおすすめです。ここでは、WEB広告の競合調査を広告代理店へ依頼するメリットについてご紹介します。
【1】広告代理店が持つ、競合調査関する知識やノウハウを活用することができる
広告代理店は広告運用分野におけるプロフェッショナルであるので、広告代理店が今までに蓄積してきた競合調査に関する専門知識を活用することができます。また広告の最新トレンドにも強く、社内でキャッチアップの必要がなくなります。
【2】社内のリソースを削減でき、本業に集中できる
自社で広告を運用する場合、社内で競合調査やデータ分析に関する研修を進める必要があります。しかし、広告代理店は競合調査の実施から分析、その後の改善まで一括で任せることができます。社内で広告運用についてリソースを削減でき、本業により集中することができます。
【3】競合と差別化できる広告戦略の設定ができる
競合調査を広告運用戦略に活用するためには、競合と差別化をすることが必須です。ですが、「これ以上競合と差別化するポイントが思いつかない…」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。広告代理店は数多くの業界やケースに関する広告運用の経験を蓄積しています。この経験を活用し、さらなる競合との差別化戦略を立案することができます。
【4】詳細なデータ分析ができる
競合調査は実施して終わりではなく、データ分析をし、改善のサイクルを回すことで広告の改善ができます。自社でデータ分析が難しい場合は、広告代理店に依頼することも検討してみてください。free web hopeでは、データ分析基盤構築も支援しております。
【成功事例】ABテストでCPA60%改善・CV数3倍伸長達成!
では、最後に実際にfree web hopeが競合調査・広告クリエイティブの作成のご支援を行い、CPA60%改善・CV数3倍伸長の成果を得られた成功事例をご紹介します。
二人三脚でCPA60%改善・CV数3倍伸長を実現!じげん・結婚相談所比較チームに起こった変化とは?

抱えていた問題
- 既存媒体のCPA改善
- 既存媒体の依存
- 事業の理解を踏まえたクリエイティ制作
- 運用広告におけるナレッジの蓄積/育成
free web hopeのソリューション
- 広告運用戦略の策定
- 広告運用実行支援
- ランディングページ制作
- ランディングページにおけるABテスト設計/実行
- Google Analytics分析
得られた成果
- CPA 60%改善
- CV数が 3倍程度になった
- 社内で個人/チームの表彰
ご相談当時の課題を教えてください。
渡邊様:free web hope様へのご相談はベーシックから現在のじげんへ事業譲渡する、2年前に遡ります。当時は2つの課題がありました。当時は多くを広告経由で集客していて他社の状況や広告出稿量の増減によってコンバージョン数も変化してしまうため、既存媒体の安定性向上と出稿媒体の多角化を行うことでリスクヘッジを行いたいと考えていました。2つ目は、社内体制とリソースの問題です。当時は事業譲渡(*1)前で、結婚相談所比較ネット以外にも複数の事業を横断した広告運用チームだったこともあり、社内で広告運用の知見はあれど各事業の理解を踏まえた運用やクリエイティブの良し悪しを判断することがリソース的にも難しく感じていました。 *1 :「結婚相談所比較ネット」をはじめとする4つの比較メディア事業は2020年12月~株式会社ベーシックからじげん株式会社へ事業譲渡
free web hopeを選んでいただいた理由を教えてください。
渡邊様:様々な評価軸がありますが、自社運用でリソースが足りなかった「クリエイティブ」を強みにしていること、「同業界の事例/実績」を持っていることが最終的な決め手となりました。
運用後、課題は解決されましたか?
渡邊様:はい、ご依頼して2~3か月でCPAが急降下しました。ご依頼当時と比較からすると現在はCPAは60%ほど下がり、CV数は3倍程度になりましたね。「運用次第で、結果がこんなにも違うのか!」と感動しました。当初は広告の受け皿となるランディングページに課題を感じていたことをお伝えし、そこから改善いただきました。
最適な広告文・クリエイティブの裏には徹底的な事前調査と効果検証にあり
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市川様:私はリニューアル時のディレクションを担当したのですが、free web hope様からご提案いただいたものは、とても今風のデザインで分析していたユーザー層に響きそうでした。「結婚相談所比較ネット」の他社との違いがわかりやすいクリエイティブで嬉しかったです。
林:ありがとうございます。広告文やクリエイティブ作成前の事前調査はかなり力を入れて実施している点が弊社の特徴でもあります。具体的には、広告における配信するターゲットを決め、それに基づく広告設計を行い、作成することです。
今回、既存ユーザー様の分析、競合分析、市場調査を行ったのですが、当初想定と異なり、性別・男女・興味関心(結婚相談所・婚活サイト・マッチングアプリ)ごとにニーズが別であることがわかりました。これらのニーズごとにクリエイティブを作成して、ターゲットとの親和性を高めることを意識しました。
【詳しいインタビューはこちら】
二人三脚でCPA60%改善・CV数3倍伸長を実現!じげん・結婚相談所比較チームに起こった変化とは?
まとめ:競合調査を広告運用に活用し、広告運用を最適化しよう
競合の広告出稿状況を調査することは、自社の広告戦略を改善し、競争優位性を確立するために非常に重要です。本記事で紹介した方法やツールを活用し、競合に差をつける効果的な広告運用を目指しましょう。
株式会社free web hope はCX(顧客体験)とデータサイエンスを広告戦略に組み込み事業成長を支援する広告代理店です。
長年の経験で積み上げた独自のフレームワークで、データサイエンスに基づく予測分析と市場調査を行い、「顕在層」だけでなく「準顕在層」にまで視野を広げ戦略的運用を提供しています。
広告運用でお悩みでしたらまずはfree web hopeに!公式HP、左下のボタンからお悩みをお聞かせください。
【free web hopeの広告運用支援実績はこちらから】free web hopeが手掛けた広告運用の支援実績を大公開!
監修者:古瀬純功
free web hopeの広告運用コンサルタントとして、広告運用支援やweb解析、ダッシュボード作成を担当:Xアカウント