この記事でわかること
- WEB広告効果測定の概要
- 広告効果測定に使用する代表的な指標
- 広告効果測定の方法
WEB広告効果測定とは?
広告効果測定とは、広告運用の成果を数値化し、その効果を評価することです。
具体的には、広告を見た人がどのように行動し、最終的にどのような結果につながったのかを分析します。これにより、広告費の無駄を削減し、費用対効果の最大化を図ることができます。
WEB広告効果測定の重要性
広告効果測定は、企業がより効率的にマーケティング予算を配分し、広告運用の費用対効果を高め、ひいてはビジネスのROI(投資対効果)を最大化するために不可欠です。
例えば、Googleで広告A、Yahoo!で広告Bを運用している場合、それぞれの広告の効果を測定することで、次のような要素を分析できます。
- 広告AとBのどちらが効果的か
- どのターゲットオーディエンスやキーワードに向けた広告が効果的か
このような分析により、広告運用の問題点を特定し、広告の効果を最大化すると同時に広告運用費用の削減につなげることが可能です。
WEB広告効果測定の指標
広告効果測定には様々な指標が用いられますが、本章では代表的な指標9つを解説します。
広告効果関連
①CVR(コンバージョン率)
CVRは、あるWebサイトやアプリを訪れたユーザーのうち、どれくらいの割合が目標とする行動(コンバージョン)を起こしたかの割合を示す指標です。この「目標とする行動」は、商品購入、資料請求、会員登録など、ビジネスの目的によって様々です。どのユーザー行動を「コンバージョン」と設定するかは、あらかじめ設定しておきましょう。
CVRの計算方法
CVR=コンバージョン数÷訪問者数×100
例:
- 訪問者数:1,000人
- 商品購入数(コンバージョン数):100件
- CVR = 100 ÷ 1,000 × 100 = 10%
この場合、Webサイトを訪れた1,000人のうち、100人が商品を購入したため、コンバージョン率は10%となります。
CVRの活用
CTR(広告のクリック率)が高いにもかかわらずCVRが低い場合は、広告のクリック後、つまり自社サイトへの流入後に問題がある可能性があります。
例えばユーザーのニーズと広告のキーワードが一致していたとしても、その後サイトでのキーワードとユーザーニーズが一致していなかった場合、ユーザーの離脱を招きます。
この場合は広告のキーワードとサイトのキーワード、そしてターゲットユーザーのニーズが一致しているかを見直すことが重要です。
②CTR(クリック率)
CTRは、広告や検索結果などが表示された回数に対して、クリックされた割合を示す指標です。
CTRの計算方法
CTR = クリック数 ÷ 表示回数 × 100
例:
- 広告が表示された回数(表示回数):1,000回
- 広告がクリックされた回数(クリック数):100回
- CTR = 100 ÷ 1,000 × 100 = 10%
CTRの活用
CTRが低い場合、広告文や画像、ターゲット層などに改善の余地があるかもしれません。課題点を特定するためには、ABテストなどの施策を実施することが有効です。
ABテスト…AとBの2つのパターンを用意し、どちらのパターンの方が効果が高いかを測定するテスト
③表示回数(インプレッション)
表示回数(インプレッション)とは、広告がユーザーの目に触れた回数、つまり広告が表示された回数を指します。
表示回数(インプレッション)の活用
インプレッション数に応じて、広告配信量を調整し、最適な広告運用につながります。
費用関連
① CPA(顧客獲得単価)
CPAは、1つの成果(顧客獲得、購入、資料ダウンロードなど)を得るためにかかる費用を指します。つまり、特定の行動を促すためにどれだけの費用がかかったかを示す指標です。CPAが低いほど、効率的に顧客を獲得できていることを意味します。
CPAの計算方法
CPA = 広告費 ÷ 成果数
例:
- 広告費:10万円
- 成果数(例:商品購入数):100件
- CPA=10万円÷100件=1,000円
CPAの活用
CPAが低い広告キャンペーンには予算を重点的に配分することで、より多くの顧客を獲得することが可能です。
一方、CPAが高い広告キャンペーンについては、ターゲット層、広告クリエイティブ、キーワードなどをさらに細分化して課題を特定する必要があります。
②CPC(クリック単価)
CPCは広告が1回クリックされるごとに支払う費用のことです。つまり、広告を見た人が広告をクリックするたびに、広告主が広告掲載媒体に支払うお金の額を指します。CPCが高いほど、1クリックあたりの費用がかかっていることを意味します。
CPCの計算方法
CPC = 広告費 ÷ クリック数
例:
- 広告費:10,000円
- クリック数:500回
- CPC = 10,000円 ÷ 500回 = 20円
この場合、広告が1回クリックされるたびに20円の費用がかかっていることになります。
CPCの活用
CPCを分析することで、どのキーワードや広告が効果的に流入を集められているか、逆に改善が必要な部分なのかを把握できます。
③CPM(インプレッション単価)
CPMは広告が1,000回表示されるごとに支払う費用のことです。つまり、広告を見た人がクリックするかどうかは関係なく、広告が画面に表示された回数に対して費用が発生します。
CPMの計算方法
CPM = 広告費 ÷ 表示回数 × 1,000
例:
- 広告費:10,000円
- 表示回数:5,000回
- CPM = 10,000円 ÷ 5,000回 × 1,000 = 2,000円
この場合、広告が1,000回表示されるごとに2,000円の費用がかかっていることになります。
CPMの活用
CPMは広範囲なユーザーに広告を表示したい場合に有効です。特定のターゲット層に繰り返し広告を表示し、ブランド認知度を高めることができます。
④ROAS(広告費用対効果)
ROASは、広告費に対する収益の割合を示す指標です。つまり、広告費1円あたりに得られた売上(収益)を数値化したものです。ROASが高いほど、広告の効果が高いと見なされます。
ROASの計算方法
ROAS = 売上 ÷ 広告費 × 100
例:
- 広告費:10万円
- 売上:30万円
- ROAS = 30万円 ÷ 10万円 × 100 = 300%
この場合、広告費1円に対して3円の売上が得られていることになります。
ROASの活用
ROASを活用することで、どの広告キャンペーンが最も効果的か、またはどの広告チャネルが費用対効果が高いかを数値で評価できます。 ROASが高い広告キャンペーンに予算を集中することで、より高い収益を目指せます。ROASが低いキャンペーンに対しては、ターゲット層、広告クリエイティブ、キーワードなどの見直しを行い、改善点を特定することが可能です。
⑤LTV(顧客生涯価値)
広告運用において、LTVはある顧客が、自社との取引を開始してから終了するまでの期間に、どれだけ利益をもたらしてくれるか を数値化したものです。つまり、一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす価値を示す指標です。
LTVの計算方法
LTVは、一般的には下の要素を掛け合わせることで算出されます。
- 平均購買単価: 顧客が一回の購入で支払う金額の平均
- 購買頻度: 顧客が一定期間に何回購入するか
- 顧客の継続期間: 顧客がどれくらいの期間、顧客であり続けるか
例:
平均購買単価が5,000円、年間の購買回数が4回、顧客の継続期間が3年とすると、LTVは5,000円 × 4回 × 3年 = 60,000円 となります。
LTVの活用
1人の顧客を獲得するためにどの程度の費用をかけることができるのかを算出できます。これにより、広告費の最適化が可能になります。
また LTVが高い顧客と低い顧客を比較することで、ターゲットユーザーの行動パターンや特性を分析し、LTVを高めるための施策を立てることができます。
⑥TCPA(目標顧客獲得単価)
TCPA(目標顧客獲得単価)は、広告キャンペーンにおいて1人の顧客を獲得するために費やすことができる最大金額を指します。広告運用の際には、事前にTCPAを設定しておくことが重要です。
TCPAの活用
TCPAを設定することで、広告費の無駄を防ぎ、予算内で最大限の成果を上げることが可能です。具体的には、商品やサービスの利益率に基づいてTCPAを設定することが効果的です。
また、Google Adsなどの広告プラットフォームでは、TCPAを基に自動入札を設定し、目標とするCPAでコンバージョンを獲得できるように、入札単価が自動的に調整されます。
WEB広告効果測定の方法
本章では、前章で解説した指標を活用し、具体的に広告の効果測定をどのような手順で行うかについて解説します。
① 広告出稿前後で数値の変化を比較する
まず、広告の出稿前後で自社サイトへのアクセス数やCVRがどれほど増減したかを計測することで、広告の効果を判断できます。
この際、広告出稿前後でターゲットユーザーなどの条件はなるべく変更しないことが重要です。
数値が変化しない、もしくは悪化した場合は、広告の運用方法を見直す必要があります。
またABテストを実施することで、広告の細かい部分まで課題を特定することができます。
ABテスト…AとBの2つのパターンを用意し、どちらのパターンの方が効果が高いかを測定するテスト
② 外的要因・市場動向を把握する
広告の効果に変化があった場合でも、それが季節や競合他社の影響によるものである可能性があります。
例えば、BtoB企業の場合、お正月やお盆休みなどの長期休暇期間中は数値が悪化する傾向にあります。
短期的な数値結果だけでなく、外的要因を把握し、長期的なデータモニタリングを心がけましょう
③細分化して効果を測定する
複数の媒体を介して広告を配信している場合は、各広告単位で効果を測定することが必要です。そうすることで、どの広告やキーワードが効果的なのかを正しく評価し、費用対効果を最大化することにつながります。
また1つの広告の中でも、ターゲットオーディエンスの年齢や性別、地域など細分化して分析することで、より効果の高いターゲティング戦略を立てることができます。
まとめ
広告効果測定は、効果的な広告運用を行う上で不可欠です。本記事では、広告効果測定の基本的な考え方から、具体的な手法までを解説しました。この記事が広告効果測定をより効果的に実施し、ビジネスの成長の参考になれば幸いです。
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