YouTube広告とは?
YouTube広告とは、YouTubeプラットフォームやGoogle動画パートナーを利用して表示できる広告のことを指します。Youtube内のバナーや動画再生前後に表示されるだけではなく、Google検索とも連動して表示できるため、圧倒的なリーチ力を持っているのが特徴です。
Youtubeの利用者数は世界で25億人を超え、日本国内では約7,940万人いる(2024年7月時点)とされています、そのうち 2,680 万人以上(2023年時点)が 45 歳から 64 歳のユーザーであることから、Z世代などの若年層だけではなく、幅広い世代に広がっていることが分かります。
「YouTube広告を始める前に、効果や自社への適性を知りたい!」「YouTube広告でどんなことができるのか気になる!」という方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
それでは早速、YouTube広告の詳細を見ていきましょう
YouTube広告の仕組みと特徴
「Youtube広告はどうやって自社広告が表示するの?課金料で決まる?」などの疑問お持ちの方も多いかと思います。結論、YouTube広告はオークション形式で、広告主が設定した課金額や広告の評価に基づいて、どの広告が表示されるかが決まります。
YouTubeの広告オークションでは、入札額だけでなく、広告の品質や関連性も重要な要素として評価されます。例えば、A社がクリック1回あたり90円を入札額として設定し、広告の質が「5」の評価を受けているとします。一方、B社は200円を設定していて、広告が「3」の評価を受けた場合、A社の広告が「視聴者にとってより適している」と判断され、表示される可能性が高くなります。
なお、Youtube広告における代表的な課金形態は、以下の3つがあります。
- インプレッション課金(CPM)
- クリック課金(CPC)
- 広告視聴課金(CPV)
広告タイプや広告目的によって選択すべき課金形式が変わりますので、事前にしっかり確認しておく必要があります。
YouTube広告に向いている企業は?
YouTube広告に向いている企業を一概に決めつけることはできません。広告は商品の特性やサービスにより相性があり、動画広告にも向き不向きがあります。しかし、YouTube広告は以下のような特徴を持つ商材やサービスを扱う企業にとって、特に効果的と言えるでしょう。
- ビジュアルが大事
- ターゲット層が多様
- ストーリーテリングが重要
例えば、美容・ファッション業界、健康食品、語学サービス、IT関連の製品やソフトウェア、家電製品、旅行やレジャー、などの商材は、YouTube広告を活用することで特に高い効果を得やすい分野です。具体的には、健康食品や語学サービスも、使用例や学習の成果をビジュアル化することで、視聴者に具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。
さらに、YouTube広告の適性は、広告の目的によっても変わります。YouTube広告は、主に次の3つの目的に適しているとされていますので、確認しておきましょう。
- 販売促進
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトへの流入獲得
- ブランド認知度向上と比較検討
YouTube広告を活用するメリット
YouTube広告には、他のSNSや広告プラットフォームにはない独自のメリットがあります。ここでは、3つの代表的な利点について解説します。
- 年齢や性別を問わず幅広いユーザーにリーチできる
- 高いコンバージョン率
- ターゲティング種類が豊富
①年齢や性別を問わず幅広いユーザーにリーチできる
YouTubeは、子どもから高齢者まで、あらゆる世代に利用されているため、幅広いユーザー層にリーチできる点が大きな魅力です。
Statistaの調査によると、世界的に見てYouTubeはFacebookに次いでアクティブユーザー数が多いSNSだそうです。(2024年4月時点)
引用:Most popular social networks worldwide as of April 2024, by number of monthly active users
また、総務省の令和5年6月情報通信によると、10代のアプリ利用率が96.4%であるのに対し、60代では66.2%、全体的に見ると男女ともに80%以上である結果が出ています。よって、Youtubeを利用して広告を出すと、男女ともに幅広い年齢層へのリーチができると言えるでしょう。
Youtubeでは、デモグラフィック情報を活用してターゲットを適切に設定すれば、広告は「届けたいユーザー」にしっかりと「伝えたい情報」を届けることができます。例えば、子ども向けのおもちゃの広告では親世代をターゲットに、リフォームや保険の広告では中高年層にアプローチすることができます。
② 高いコンバージョン率
Youtube動画広告の強みは、視覚と聴覚を同時に活用できる点です。人は、視覚を使って約80%、聴覚を使って約10%の情報を得るとされています。つまり、目と耳を同時に使う動画広告は、商品の魅力をより強く、より多くの感覚に訴えかけることができるのです。また、動画は他の広告形式に比べて「感情」に直接訴えかける力が強いです。映像の動きや音楽、ナレーションなどが組み合わさり、心に響く広告となることで、「この商品を試してみたい!」「このブランドを支持したい!」と思わせ、結果的に購入やサービス利用といったアクションへと繋がります。よって、Youtube広告は高いコンバージョンを期待できるでしょう。
③ターゲティングの選択肢が豊富
YouTube広告では他のWeb広告と同様に、ターゲットを絞って広告配信ができます。
なお、Youtubeにおけるターゲティング方法は「オーディエンスターゲティング」と「コンテンツターゲティング」の2つの方法があります。オーディエンスターゲティングでは、ユーザーの属性(年齢、性別、趣味、過去の検索履歴など)をもとに広告を表示し、コンテンツターゲティングでは、視聴者が視聴しているコンテンツに基づいて広告を表示。さらに、YouTubeとGoogleのデータ活用することで、視聴者に最適なタイミングで広告を表示することもできます。
広告配信後に運用・改善を繰り返してターゲティング調整をしていくことで、広告効果を最大化できるでしょう。
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Google広告オーディエンスターゲティングとは?セグメント種類や設定方法など解説
YouTube広告における5種類の広告フォーマット(2024年11月時点)
Youtube広告において、代表的な広告フォーマットは以下の5つ存在します。
- インストリーム広告
- バンパー広告
- インフィード動画広告
- マストヘッド広告
- YouTubeショート広告
本記事では上記の広告フォーマットに加え、知っておくべき以下の広告タイプについても紹介していきます。
- ダイレクトレスポンス広告
- デマンドジェネレーションキャンペーン
インストリーム広告
インストリーム広告は、YouTube動画の再生前、再生中、または再生後に表示される広告のことです。スキップ可能なタイプとスキップ不可なタイプがあり、目的やターゲットに応じて使い分けることができます。以下で詳しく見ていきましょう。
スキップ可能なインストリーム広告
スキップ可能なインストリーム広告は、広告の再生が始まると5秒後にスキップボタンが表示されるため、視聴者に不快感を与えにくいのが特徴です。ユーザーが30秒以上視聴するか、30秒未満の広告を最後まで視聴した場合、または広告を操作(クリックなど)した場合に料金が発生します。スキップ可能なインストリーム広告は、視覚的なインパクトを残しつつ商品やサービスの魅力を短時間で伝えたい場合に向いています。
スキップ不可なインストリーム広告
スキップ不可なインストリーム広告は、視聴者がスキップできない広告です。YouTubeやGoogle動画パートナーのサイトやアプリで、動画の再生前後や途中に表示され、30秒以内の長さでメッセージを届けることができます。ブランド認知度の向上や商品・サービスの魅力をしっかり伝えたい場合にオススメの広告形式です。
バンパー広告
バンパー広告は、インストリーム広告の一種で、スキップできない6秒以下の短い動画広告のことです。6秒という短さゆえ、視聴者の広告へのストレスを抑えることができ、広告を最後まで見てもらいやすいのが特徴です。バンパー広告は、ブランドや商品の印象を強く残したい場合や、メッセージをシンプルに伝えたい場合に向いています。
インフィード動画広告(旧 TrueViewディスカバリー広告)
インフィード動画広告は、YouTubeの検索結果やおすすめ動画リストに表示される広告で、視聴者がクリックして初めて再生されます。例えば、ファッションブランドが「2024春夏コレクション」を紹介する動画を出稿し、興味を持ったユーザーに再生してもらうことで、ブランド認知を高めることができます。広告料金は、クリックまたは10秒以上の再生時に発生します。インフィード動画広告は、興味を持つ視聴者にリーチできますが、サムネイルやタイトルでの工夫が重要です。
マストヘッド広告
マストヘッド広告は、YouTubeのホーム画面の上部に表示される動画広告で、最大30秒間自動再生されます。広告が目立つ位置に表示され、YouTubeを開いたユーザーが最初に目にするため、YouTubeユーザーの注意を最大限に引くことができるでしょう。また、音声なしで再生されるため、ユーザーに不快感を与えることもありません。
Youtubeショート広告
YouTubeショート広告は、数秒から数十秒の短い縦長の動画広告のことです。ユーザーは興味がないと数秒以内にスワイプしてしまいますが、興味をそそるものだと、「これおもしろそう」と感じてもらえることがあります。たとえば、アウトドアブランドが15秒の動画で新しいキャンプ用品の特徴や使い方を紹介し、キャンプ好きの男性やファミリー層にアピールすることができます。先に紹介したように、最近は縦長の短い動画に対する需要が急増しており、今後はさらに需要が拡大していくという調査結果が出ています。
Googleによると、YouTubeショートで効果を上げている広告の多くは、YouTuberなどのコンテンツクリエイターが企業の商品を使って作成したものだそうです。その理由は、YouTubeのようなショート動画の特徴である「DIY感」や「素朴さ」がユーザーに好まれるためだといいます。広告料金は、広告が10秒以上視聴されたり、CTAボタン(「もっと見る」「お問合せ」など)がクリックされた場合に発生します。
引用:To stand out in the Shorts feed, make ads that blend in
ダイレクトレスポンス広告
YouTubeのダイレクトレスポンス広告は、視聴者に商品購入や登録などの具体的なアクションを促す広告です。広告が表示されるのと同時に、フォーム送信画面が下に表示されるのでリードを獲得しやすいのが特徴です。ダイレクトレスポンス広告は、複数の商品を同時に表示することができるため、ECサイトを持つ企業に効果的といえます。
ダイレクトレスポンス広告の企業活用事例
大手自動車メーカのJeep韓国支社は、Youtubeの動画キャンペーンとしてダイレクトレスポンス広告を活用し。その結果、リード獲得単価が84%減少し、リード獲得数が13倍増加しました。
引用:Drive results with new direct response solutions on YouTube
デマンドジェネレーションキャンペーン
現在、他の記事で「動画アクションキャンペーン」に関する情報を目にすることがあるかもしれませんが、重要な変更がありますのでご注意ください。Googleは、今後数ヶ月以内に「動画アクションキャンペーン」の新規作成機能を削除する予定です。そのため、これから新たに動画アクションキャンペーンを作成することができなくなります。代わりにGoogleは「デマンド ジェネレーション」の利用をオススメしており、既存の動画アクションキャンペーンは2025年第2四半期に自動的にデマンドジェネレーションにアップグレードされる予定です。
デマンドジェネレーションキャンペーンは、YouTubeショートやYouTube、Discover、Gmailなど複数のプラットフォームを活用し、広告に「お問合せ」や「詳しく知る」などのアクションボタンを組み合わせたキャンペーンです。そのため、広告を見たユーザーが直接アクションを起こしやすい仕組みとなっています。
Googleによると、YouTubeショート、Gmail、DiscoverなどのGoogleフィードを利用する月間アクティブユーザー数は最大で30億人に達しており、広範囲にリーチできます。そのため、「とにかく多くの人に広告を見てもらいたい」と考えている場合には、デマンドジェネレーションキャンペーンが効果的といえるでしょう。さらに、Googleの調査によると、YouTubeは他の動画プラットフォームやSNSに比べて、商品やブランドのリサーチに使われる頻度が2倍高いとされています。また、視聴者はYouTubeの広告を他のプラットフォームの広告よりも16%も信頼しているというデータもあり、「信頼してもらえる広告」を届けることができるでしょう。
YouTube広告を始める際のポイント
「Youtube広告を始めたい」と考えている場合、以下のポイントを確認しておく必要があります。
- 「広告で何を得たいか」を明確にする
- 「誰に届けるか」を明確にする
- ABCD フレームワークを意識する
- データ分析してPDCAサイクルを回し続ける
「広告で何を得たいか」を明確にする
YouTube広告を運用する上で、最初に決めるべき重要なことは「広告の目的」です。広告の目的が不明確だと、ターゲット設定や広告メッセージ、予算配分などすべてが曖昧になり、結果として効果的な運用ができなくなります。Google広告の管理画面でYoutube広告の設定をすると、選択したキャンペーン目標とキャンペーンのサブタイプにより、広告を表示できる広告ネットワークと、使用できる広告フォーマットを表示してくれます。
「誰に届けるか」を明確にする
広告の目的が決まったら、次に重要なのは「誰に届けるか」をしっかり考えることです。年齢、性別、地域、興味・関心、デバイスなどのデータをもとにターゲティングを設定し、効率的な広告配信を目指しましょう。ターゲティング設定を誤ると、どれだけインパクトのある広告を作成しても、どれだけ入札額を上げても、広告の効果は最大化できません。例えば、化粧品ブランドが新しいリップ商品を20代女性に向けて宣伝する場合、年齢や性別に加えて、「美容」や「メイク」に関心があるユーザーを絞り込むことで、より効果的にターゲットにリーチすることができます。
ABCDフレームワークを意識する
ABCDフレームワークは、Googleが公式に推奨している広告クリエイティブに必要な要素を整理したものです。ABCDフレームワークを活用することで、「効果の出る」広告作成が可能になると言います。
- A(Attract)=視聴者の関心を引き込む -- 被写体をアップで使用、冒頭 5 秒間に 2 つ以上のショットを挿入、
- B(Brand)=視聴者にブランドを認知してもらう -- 冒頭 5 秒間で商品やブランドを紹介、ロゴは中央から左に表示
- C(Connect)=ブランドストーリーと視聴者の感情を結びつける -- 感情に訴える、広告の冒頭に人物を登場させる
- D(Direct)=ブランドが望むアクションを視聴者に対して明確に提示する --「期間限定」「数量限定」など訴求、CTAボタンを設置する
参照:コンバージョンを促す動画広告に必要な「ABCD フレームワーク」で TrueView アクション広告を分析する
データ分析してPDCAサイクルを回し続ける
YouTube広告運用において、データをもとに広告のパフォーマンスを測定し、改善し続けることが欠かせません。PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回しながら運用を続けることで、広告の効果を最適化していくことができます。
PDCAサイクルを回すために重要なステップは次の通りです。
- Plan(計画): 広告の目標を設定し、ターゲット、予算、広告フォーマットなどを決定。
- Do(実行): 計画に基づいて広告を配信。
- Check(確認): 広告のパフォーマンスをGoogle AnalyticsやYouTubeアナリティクスなどでチェック。
- Act(改善): データを分析し、パフォーマンスが悪かった部分を改善。
【よくある質問】Youtube広告に関して
- 【1】YouTube広告を作成するには、どんな準備が必要ですか?
- 【2】YouTube広告のパフォーマンスをどうやって測定できますか?
- 【3】YouTube広告で効果がない場合、何が原因ですか?
- 【4】YouTube広告の視聴者が広告をスキップした場合、料金はどうなりますか?
【1】YouTube広告を作成するには、どんな準備が必要ですか?
YouTube広告を作成するためには、大きく3つのステップがあります;
- Google広告アカウントを作成する
- 広告動画(クリエイティブ)の準備
- キャンペーンの目標設定
【2】YouTube広告のパフォーマンスをどうやって測定できますか?
YouTube広告のパフォーマンスは、Google広告の管理画面で確認できます。
- インプレッション数:広告が表示された回数
- クリック率(CTR):広告がクリックされた割合
- 視聴回数(CPV):広告動画が視聴された回数
- コンバージョン数:広告を見た後に、ユーザーが購入やフォーム送信などの何らかのアクションを取った回数
- コストパフォーマンス(費用対効果)
【3】YouTube広告で効果がない場合、何が原因ですか?
YouTube広告が効果を感じられない場合、主に以下の原因が考えられます:
- 誤ったターゲティング:ターゲットオーディエンスが正しく設定されていない可能性
- 広告の質が低い:広告の質が低く、視聴者に魅力を伝えられていないか、視聴率がそもそも低い可能性
- 上限入札額が低い:オークションで負けている可能性
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【Google広告ランク】改善には「品質ランク」が鍵!両者違いも解説
【4】YouTube広告の視聴者が広告をスキップした場合、料金はどうなりますか?
スキップ可能な広告の場合、視聴者が広告をスキップした場合でも課金されるかどうかは、広告の設定によります。スキップ可能インストリーム広告の場合、視聴者が広告を30秒以上視聴した場合や、広告全体を視聴した場合にのみ課金されます。
まとめ:YouTubeを活用した動画広告はますます注目されていく
本記事では、YouTube広告の特徴やメリット、代表的な広告フォーマット、そして始める際のポイントについて詳しく紹介しました。動画広告市場では、今後縦長のショート動画広告の需要がさらに高まると予測されています。YouTubeショートを活用した広告は、ユーザーに「また広告か」といった嫌悪感を与えることなく、自然に商品の魅力を伝えることができるため、今後ますます注目される広告手法となるでしょう。
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