フリークエンシーとは?概要と計算方法
フリークエンシーとは、特定のユーザーに対して広告が表示された回数を意味します。例えば、検索サイトやSNSを閲覧していると、同じ広告が何回も表示されることがありますよね。このように、ユーザー1人当たりと広告との接触回数を表す指標がフリークエンシーです。フリークエンシーは少なすぎても広告の認知度があげられないですし、多すぎてもユーザーに嫌悪感を与えてしまいます。よって、広告の効果を最大化するためにも、フリークエンシーの設定は重要です。適切なフリークエンシーの回数や、フリークエンシーの設定方法はのちの章で解説します。
フリークエンシーの計算方法
フリークエンシーは、一定期間における広告表示回数を、その広告を視聴したユニークユーザー数で割ることで求められます。
フリークエンシー = 総インプレッション数 ÷ リーチ数
- 総インプレッション数: 広告が表示された合計回数
- リーチ数: 広告を見たユニークユーザー数
例えば、ある広告が1000回表示され、その広告に接触したユニークユーザーが100人の場合、フリークエンシーは10回になります。
1000÷100=10回
つまり、この場合1人のユーザーが10回広告を視聴したと言えます。
フリークエンシーとリーチ・リーセンシーの違い
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フリークエンシーと混同しやすい言葉に、「リーチ」と「リーセンシー」があります。それぞれの違いをしっかり理解しておきましょう。
フリークエンシーとリーチの違い
web広告の「リーチ」とは、広告を見たユニークユーザー数を指します。つまり、リーチは広告を見た「人数」、フリークエンシーは1人に広告が表示された「回数」です。
- フリークエンシー: 同一ユーザーへの広告表示回数
- リーチ: 広告を見たユニークユーザー数
例えば、ある広告キャンペーンで10,000人に広告を表示し、そのうち5,000人が同じ広告を2回見たとします。この場合、リーチは10,000人、フリークエンシーは2回となります。
リーチの計算方法
リーチ=総インプレッション数÷フリークエンシー
例えば、広告の表示回数が50,000回でフリークエンシーを2回に設定した場合、リーチは25,000になります。つまり25,000人に広告が表示されたと言えます。
50,000÷2=25,000
フリークエンシーとリーセンシーの違い
web広告の「リーセンシー」とは、ユーザーに対して広告が表示される間隔を表す指標です。例えば、あるユーザーが4月1日、2日、3日に広告を計3回見たとします。この場合、フリークエンシーは3回、広告は毎日配信されているので、リーセンシ―は1日になります。同一ユーザーに対して広告が表示される間隔を短くすることを「リーセンシ―を短くする」と言います。一般的に、リーセンシ―は短い方が効果的です。
- フリークエンシー: 同一ユーザーへの広告表示回数
- リーセンシー: ユーザーが広告に接触する期間
フリークエンシーをコントロールする重要性
フリークエンシー管理は、広告効果を最大化するために非常に重要です。具体的に、フリクエンシーが高すぎる場合と低すぎる場合それぞれについて影響を解説します。
フリークエンシーが高すぎる場合の影響
フリークエンシーが高すぎると、ユーザーは広告に対して嫌悪感を抱きやすくなります。例えば動画サイトを利用している際、何度も同じ広告が表示され「しつこい」と思ったことはありませんか?フリクエンシーが高すぎることにより、ユーザーの広告疲れや、ブランドイメージの低下にもつながります。また、広告が過剰に表示されることで、広告費の無駄遣いにもつながります。
フリークエンシーが低すぎる場合の影響
フリークエンシーが低すぎると、広告がユーザーに十分に認知されない可能性があります。また、広告メッセージが伝わりにくく、購買意欲を高めることができません。
最適なフリークエンシー回数は?ケース別に解説
最適なフリークエンシーは、広告の種類や目的、ターゲット層によって異なります。本章では、ケース別にフリークエンシーの目安を紹介します。
【ケース1】ブランド認定目的の場合
キャンペーンの目的がブランド認知で、商品の販売を目的としない場合、フリークエンシーを低くすることがおすすめです。これはFacebook広告の例ですが、週1回のフリークエンシーでは累積的なブランドリフト(広告が自社の商品の認知度や購買意欲に与えた影響)を80%まで獲得し、2回では95%まで上昇、それ以降は鈍化しました。
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また、中には高級感やブランドの世界観を重視している場合もあるかと思われます。そのような場合は、ユーザーに嫌悪感を抱かれないためにも、低めの設定がおすすめです。
ユーザーの認知を拡大する手段として、例えば動画広告であればユーザーにより視覚的に訴えることができるので、その印象も強く残すことができるでしょう。また、フリークエンシーだけではなくリーチ数を重視して広告運用をするのも有効です。
引用:Effective Frequency: Reaching Full Campaign Potential | Facebook IQ | Meta for Business
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【ケース2】CV獲得目的の場合
CV獲得を目的とする場合、認知目的の場合より多めに設定することがおすすめです。上記のグラフを再び参照すると、購入目的(青のグラフ)は1.5回あたりでようやく上昇していることが分かります。
しかし、CV獲得を目的とする場合、フリークエンシーが高すぎると入札単価が悪化する可能性もあります。例えばCPA(クリック単価)を採用しているケースを考えましょう。フリークエンシーを高く設定していてクリック単価が高くなっている場合、広告は表示されているのにクリックされていないという問題が発生している可能性があります。クリックされていない一因として、広告の表示回数が多すぎてユーザーが広告疲れを起こしていることが考えられます。
フリークエンシーの設定には、入札単価やインプレッション(表示回数)、クリック数などを常にモニタリングするようにしましょう。
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【ケース3】複数の広告媒体を組み合わせる場合
早稲田大学の中野教授(2007)の研究によると、web記事とテレビ広告など、複数の広告媒体を組み合わせて多元的な情報を提示したほうが、同一の情報を提示した場合より、ブランドに対する総合的な評価、メッセージの信頼性、ブランドへの肯定的な評価が高かったそうです。
引用:複数の媒体が及ぼす広告効果研究の系譜 -クロス・メディアの視点から- | CiNii Research
このように、複数の広告媒体を用いて商品に関する様々な情報を発信したほうが、ユーザーの認識も高められますし、嫌悪感を与えることを防ぐこともできます。よって、全体的なフリークエンシーは高めに設定しても問題ないと言えます。
各広告媒体でフリークエンシーを確認・設定する方法
それでは、各広告媒体でフリークエンシーを確認・設定する方法を解説します。
Google広告でのフリークエンシー確認方法
Step1. Google広告の管理画面でキャンペーンプルダウンをクリックする
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Step2. 表示項目を選択する
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Step3. 「すべての列」をクリックする
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Step4. 「リーチの指標」から平均表示頻度を選択し、適用する
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Step5. レポートにフリークエンシーが表示されるようになる
Google広告でのフリークエンシー設定方法
Step1. Google広告の管理画面でキャンペーンプルダウンをクリックする
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Step2. 設定タブをクリックする
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Step3. フリクエンシーを変更したい広告キャンペーンを選択する
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Step4. その他の設定をクリックする
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Step5. フリクエンシーの管理を選択し、フリクエンシーを設定する
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Step6. 保存をクリックする
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参考:フリークエンシー キャップを使用する - Google 広告 ヘルプ
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Yahoo!広告でのフリークエンシー確認方法
Yahoo!広告ではパフォーマンスレポートが用意されており、フリークエンシーやリーチ数、平均接触回数を確認することができます。
Yahoo!広告でのフリークエンシー設定方法
キャンペーンの設定で設定可能です。また、以下の項目を設定できます。
- 期間:広告の配信を制御する期間
- 回数:一人のユーザーに対して広告を配信する回数の上限
- 階層:フリクエンシーキャップを設定する階層
- キャンペーン:該当のキャンペーン配下全体にフリクエンシーキャップが設定される
- 広告グループ:該当のキャンペーンは以下のグループ単位で、フリクエンシーキャップが設定される
- 広告:該当のキャンペーン配下の各広告単位でフリークエンシーキャップが設定される
引用:フリークエンシーキャップについて - ヘルプ - Yahoo!広告
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Meta(Facebook)広告でのフリークエンシー確認方法
Meta(Facebook)広告では、あらかじめレポートが用意されており、ここからフリークエンシーを確認することができます。Meta広告マネージャから確認可能です。レポートの設定方法は以下の通りです。
Step1. 広告マネージャーを開く
Step2. 「列」をクリックし列をカスタマイズを選択
Step3. パフォーマンス内のフリークエンシーにチェックを入れる
Meta(Facebook)広告でのフリークエンシー設定方法
Step1. 広告マネージャー管理画面を開く
Step2. 広告セットを開く
Step3. 「最適化と配信」→「広告配信への最適化」をクリック
Step4. プルダウンから「リーチ」または「デイリーユニークリーチ」を選択
Step5. 「その他のオプション」をクリック
Step6. 「フリークエンシーキャップ」でフリークエンシーを設定
LINE広告でのフリークエンシー確認方法
「リーチ」以外を目的としたキャンペーンの場合、配信結果としてフリークエンシーを確認することができません。「インプレッション÷リーチ」の計算をすることで、目安を算出できます。
一方、「リーチ」を目的としたキャンペーンはフリークエンシーを確認できます。パフォーマンスレポートを以下で設定しましょう。
- 階層で広告グループまたは広告を選択
- 集計単位で全体を選択
LINE広告でフリークエンシーを確認することはできますか? | LINE for Business
LINE広告でのフリークエンシー設定方法
LINE広告では、キャンペーンの目的で「リーチ」を選択すると、フリークエンシーの設定が可能です。また、配信後上限を上げることはできますが、下げることはできません。
引用:フリークエンシーを設定して配信することは可能ですか? | LINE for Business
【詳しくはこちら】
LINE広告の出稿方法!初心者にもわかりやすく7ステップで画像解説
フリークエンシーを最適化するための注意点
それでは、最後にフリークエンシーを設定する際のポイント・注意点について解説します。
Google広告ではフリークエンシーを自動で最適化できる
Google広告では、設定で「Googleで広告の表示頻度を最適化する」を選択できます。これを選択すると、Google側で自動的にフリクエンシーを最適化してくれます。ただ、自動化しても定期的な確認は怠らないようにしましょう。
Cookie規制がフリークエンシーに与える影響
近年サードパーティークッキー規制が進む中で、ユーザーのターゲティングがさらに困難になっています。例えば、ユーザーがクッキー規制のあるブラウザを使用する場合、クッキーがリフレッシュされてしまうため、同一人物であると認識できずに、繰り返し同じ広告が表示されてしまう可能性があります。
まとめ
フリークエンシー管理は、広告効果を最大化するために不可欠な要素です。適切なフリークエンシー設定を行うことで、ユーザーに最適なタイミングで広告を表示し、広告費の無駄遣いを防ぐことができます。ぜひこの記事を参考に、自社の広告戦略に最適なフリークエンシー管理方法を見つけてください。
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監修者:古瀬純功
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