リスティング広告

【事例あり】BtoB広告とは?効果的な手法から成功のコツまで丸わかりガイド!

    BtoB広告とは、企業から企業へ向けた商品やサービスを宣伝する広告を指します。BtoC広告と比較し、ユーザーの検討期間が長いことや、商品を利用することで得られるメリットに重点を置いた訴求が有効である点が特徴です。本記事では、「なかなかBtoB広告で成果をあげられない..」とお悩みの方向けに、BtoB広告の広告手法の選び方や、失敗しないBtoB広告の運用方法、予算の決定方法について解説します。BtoB広告の成功事例についてもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

    BtoB広告とは?

    「BtoB広告」とは、企業(Business)から企業(Business)へ向けた商品やサービスを宣伝する広告を指します。例えば、企業が業務効率化ツールを他の企業に紹介したり、製造業者が部品を取引先に提案したりする場合に活用されます。BtoB広告では、論理的な情報提供と長期的な関係構築が重要になります。

    BtoB広告とBtoC広告の違い

    BtoB広告は企業間取引向けの広告であるのに対し、BtoC広告は一般消費者や個人を対象とした広告を指します。BtoB広告とBtoC広告は、対象とするターゲット層の違いから、広告戦略にも違いがあります。

    BtoB広告は商品やサービスの単価が比較的高額で、意思決定にも複数人が携わるため検討期間が長めです。一方、一BtoB広告は単価が安く個人の感情で購入に至るケースもあるため、検討期間が短めです。そのため、BtoB広告は顧客にどれだけのメリットを与えることができるのかビジネスライクな視点での訴求が有効です。対してBtoC広告は個人の直感に訴えるような、インパクトを与える訴求が有効です。

    BtoB広告が果たす役割

    消費者の購買行動を説明する代表的なモデルとして、「AIDMA理論」があります。広告はAIDMA理論の各段階でユーザーの行動を促進する役割を果たします。特にBtoBビジネスはBtoCより検討期間が長い傾向にあるため、それぞれの段階で適切なアプローチをすることが重要です。

    • Attention(注意):広告を見て注意を惹く
    • Interest(興味):商品やサービスに興味を持つ
    • Desire(欲求):商品やサービスを欲しいと思う
    • Meomry(記憶):商品やサービスを記憶する
    • Action(行動):商品やサービスを購入する

    1.認知度向上(Attention、Interest段階)

    多くのターゲット企業に自社の存在やサービス内容を知ってもらうことで、市場における認知度を高めます。特に新しいサービスや新興企業にとっては、市場参入の足がかりとなります。

    2. 見込み顧客の獲得 (Desire段階)

    広告に反応した企業は、少なからず自社のサービスに興味を持っている可能性が高いです。ウェビナー登録、資料ダウンロード、無料トライアル申し込みなど、具体的な行動を促す広告を通じて、将来の顧客となりうる企業の担当者情報(リード)を獲得します。

    3. 見込み顧客の育成 (Meomry、Action段階)

    広告を通じて、製品・サービスの具体的なメリット、導入事例、業界のトレンドなど、ターゲット企業が抱える課題解決に役立つ情報を提供することで、購買意欲を段階的に高めます。また獲得した情報を用いて継続的な情報提供や専門的なコンテンツを提供することで、ターゲット企業との信頼関係を構築し、長期的なパートナーシップの基盤を築きます。

    BtoB広告に強い広告手法と選び方

    BtoB広告には様々な手法があり、それぞれに得意な領域や活用のポイントがあります。ここでは、オンライン広告・オフライン広告に分け、それぞれの概要や利用できる広告媒体、向いている商材やビジネスシーンを詳しく解説します。

    オンライン広告

    • リスティング広告
    • SNS広告
    • リターゲティング広告(リマーケティング広告)
    • 動画広告
    • メールマガジン

    オフライン広告

    • マス広告
    • 交通広告

    1. リスティング広告

    リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果ページに表示される広告です。ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるため、購買意欲の高い顕在層にアプローチできます。ユーザーの検索意図に合致した情報を提供できるため、高いクリック率とコンバージョン率が期待できます。また、ターゲットキーワードの選定、地域・時間帯指定、デバイス設定など、細かく設定できることも特徴です。

    主な広告媒体

    • Googleリスティング広告:Googleは世界中で圧倒的な検索エンジンシェアを誇ります。これにより、より広範囲のユーザーにアプローチすることができます。また、Google広告は膨大なユーザーデータを保有しており、これらを活用した精度の高いターゲティング設定が可能です。
    • Yahoo!リスティング広告:Yahoo!リスティング広告は、国内ユーザーの幅広い層にリーチできるだけでなく、特にPCユーザーやミドル・シニア層にアプローチしやすい点が特徴です。

    【あわせて読みたい】

    【Google】リスティング広告(検索広告)完全ガイド!設定方法から運用方法まで

    【初心者向け】Yahoo!リスティング広告の始め方ガイド!準備と設定まで5ステップ

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • 特定の課題解決を求めるユーザーが検索するようなSaaS、ITツール、コンサルティングサービスなど
    • 顕在層向けのアプローチ

    2. ディスプレイ広告(バナー広告)

    Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像や動画形式の広告です。ユーザーの興味関心や行動履歴、閲覧サイトのコンテンツ内容に基づいて表示されるため、まだ明確なニーズがない潜在層にアプローチするのに適しています。

    主な広告媒体

    • GDN(Googleディスプレイネットワーク):Googleディスプレイ広告は、Googleが提供する世界中の3,500以上のWebサイト、アプリ、動画プラットフォームを含むネットワークを利用できます。
    • YDA(Yahoo!ディスプレイ広告):Yahoo!ディスプレイ広告は、Yahoo!JAPANのサービスサイトや提携パートナーのサイトに広告配信が可能です。主な提携パートナーとしては、朝日新聞DIGITALやBuzzFeedなどが挙げられます。

    【あわせて読みたい】Googleディスプレイ広告(GDN)とは?仕組み、配信面、設定方法まで!攻略ガイド

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • 潜在層向けのアプローチ
    • 視覚的に訴求したい商材(例:デザイン性が重要な商材など)

    3. リターゲティング広告(リマーケティング広告)

    リターゲティング広告(リマーケティング広告)は、一度自社のWebサイトを訪れたユーザーに対して、後日別サイトで再度広告を表示する手法です。リターゲティング広告はフリクエンシーという広告を配信する頻度が重要です。頻度が高すぎるとユーザーに不快感を与えてしまいますし、低すぎても広告を認知してもらえません。適切な回数については以下の記事をご覧ください。

    【詳しくはこちら】

    フリークエンシーとは│適切な回数やリーチとの違い、設定方法を解説

    【画像付き】リマーケティング広告とは?仕組みや種類、リターゲティング広告との違いを解説!

    主な広告媒体

    • Google広告(GDN:Googleディスプレイネットワーク)
    • Yahoo!広告(Yahooディスプレイネットワーク)
    • Meta広告(Instagram広告、Facebook広告):Facebookやインスタグラムのフィード、ストーリーズ、オーディエンスネットワークなどに広告を配信することができます。
    • LINE広告:LINEアプリケーション内のニュースフィード、LINE VOOMなどLINE関連のプラットフォームに広告を配信することができます。

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • ユーザーの購入検討期間が比較的長い商材

    4. SNS広告

    SNS広告は、ユーザーの興味関心や属性情報に基づいて広告を配信できるため、潜在層へのアプローチやブランディングに効果的です。

    主な広告媒体

    • LinkedIn広告:ビジネス特化型SNSのため、役職や業種などでターゲットを絞りやすく、BtoBリード獲得に非常に有効です。企業アカウントのフォロワー獲得や、特定職種へのセミナー誘導などに活用されます。
    • Facebook広告(Meta広告):詳細なターゲティングが可能で、職務経験や興味関心に基づいて広告を配信できます。事例紹介やホワイトペーパーのダウンロード促進に活用されています。
    • Instagram広告(Meta広告):Instagram広告はビジュアルコンテンツが中心のSNSで、言葉だけでは伝わりにくい商品の質感、デザイン、使用イメージなどを視覚的・直感的に伝えることが可能です。
    • X広告(旧Twitter):リアルタイム性が高く、速報性の高い情報やイベント告知に適しています。企業の製品発表や採用情報の発信にも使われます。

    【詳しくはこちら】

    Facebook広告(META広告)とは?仕組みや課金方法まで初心者向けに解説 | 2025年

    インスタ広告とは?仕組み、費用相場、種類などの基本を解説|【2025年版】

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • 若年層向けの商材
    • ビジュアル面での訴求が有効な商材

    5. 記事広告・純広告

    記事広告純広告は、特定のメディアに掲載される広告です。

    • 記事広告:メディアの記事コンテンツとして、製品やサービスを紹介する広告です。読者に自然な形で情報を届けられ、企業の専門性や信頼性をアピールできます。読者に役立つ情報として認識されやすく、ブランドイメージの向上に貢献します。
    • 純広告:メディアの広告枠を買い取り、決められたスペースに広告を掲載する手法です。視認性が高く、短期間での認知度向上に効果的です。

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • 製品やサービスの深い理解を促進したい場合や、ストーリー性を持って訴求したい場合
    • 新しい技術やサービスで、まだ市場での認知度が低い場合

    6. 動画広告

    動画広告は、製品やサービスの魅力を視覚的に伝えられるため、BtoBにおいても非常に効果的です。複雑な製品やサービスの機能説明が必要なSaaS、製造業、建設業など、視覚的な情報が理解を深めるのに役立つ業種に向いています。

    主な広告媒体

    • YouTube広告:ターゲット層が視聴しそうな動画コンテンツに広告を配信できます。製品のデモンストレーション、導入事例、企業紹介などに適しています。

    【あわせて読みたい】Youtube広告とは?特徴、仕組みや課金形態、5つの広告フォーマットについて紹介

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • 複雑な製品やサービスの機能説明が必要なSaaS、製造業、建設業など、視覚的な情報が理解を深めるのに役立つ商材。

    7. メールマガジン(メール広告)

    あらかじめメールアドレスを登録してくれた見込み顧客や既存顧客に対し、定期的にメールを配信する広告手法です。リードナーチャリング(見込み顧客の育成)たコンバージョンの促進に役立ちます。

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • 顧客との長期的な関係を構築したい場合
    • コンバージョンまでの検討期間が長い商材

    8. マス広告

    マス広告は、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などに掲載される広告を指します。広範囲の不特定多数のオーディエンスに一斉に情報を届けることできるのが強みです。一方、予算がWeb広告に比較して高額になってしまう点や、詳細なターゲティングができないことが欠点です。

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • 業界全体に知られるべきインフラ系サービス(例:クラウド基盤、セキュリティーソリューションなど)
    • イベントやキャンペーンの告知

    9. 交通広告

    交通広告は、駅の広告や電車の中吊り広告など、交通機関の利用者をターゲットとした広告を指します。毎日同じ交通機関を利用するユーザーに対し、繰り返し広告を見せることで、メッセージの定着力を高めることができます。また、駅や商業施設に近い企業の広告は、広告で認知させ、そのまま来店や問い合わせに繋がることが期待できます。

    適した商材のタイプ・ビジネスシーン

    • 人材採用活動
    • 展示会やイベントへの集客

    自社ビジネスに適したBtoB広告手法・広告媒体の選び方

    ここまでBtoB広告媒体の特徴について解説をしましたが、ここでは広告媒体を選ぶ際のポイントを解説します。

    1.ターゲット層

    ターゲット企業の業種、規模、役職、部署、抱えている課題などを具体的に定義します。またターゲット層が普段どんなWebサイトを見ているのか、どんなSNSを利用しているのか、どんな情報源から情報を得ているのかを把握します。

    • 例: 情報システム部門担当者ならIT系専門メディア、経営層ならビジネス系メディアやLinkedInなど。

    2.広告の目的・KPI

    前述のAIDMA理論のうち、どの段階にいるユーザーにアプローチするかで適切な広告形式が異なります。まずは広告を運用することでどのような成果を得たいのか、またそれに付随しKPIも設定しましょう。

    • 認知度向上: 広範なリーチが可能なディスプレイ広告、SNS広告、記事広告、業界特化型メディアなどが有効。
    • リード獲得: リスティング広告、SNS広告、資料ダウンロードを促す記事広告、ウェビナー広告などが有効。
    • リードナーチャリング: 記事広告、メール広告、リターゲティング広告などが有効。
    • ブランディング: 記事広告、動画広告、業界トップメディアへの純広告などが有効。

    【詳しくはこちら】【WEB広告】KPIとは?指標の種類や設定手順を解説

    3.商材の特性

    商材の特性やアプローチしたいユーザーの範囲によっても適切な広告駅式が異なります。以下にその一例をご紹介します。

    • 複雑性:複雑な商材は、じっくりと情報を伝えられる記事広告や動画広告、詳細なホワイトペーパーへの誘導ができる形式が適しています。
    • 汎用性: 幅広い業界に共通する課題を解決する商材であれば、リスティング広告や汎用性の高いSNS広告が有効です。
    • ニッチ性: 特定の業界やニッチな課題に特化した商材であれば、その分野に特化した専門メディアや、詳細なターゲティングが可能なSNS広告が効果的です。

    4.予算と競合

    最後に、予算感や競合の多さによっても適切な広告媒体や形式が異なります。以下にその一例をご紹介します。

    • 予算規模:各広告形式や媒体には費用相場があります。初期投資、継続的な運用費、広告制作費なども含めて、全体の予算を考慮します。
    • 効果測定のしやすさ: デジタル広告は効果測定がしやすいため、費用対効果を細かく分析し、PDCAサイクルを回しやすいです。オフライン広告(業界誌など)は効果測定が難しい場合があります。
    • 競合他社の動向:競合がどのような広告形式や媒体を利用しているかを調査するのも有効です。成功事例を参考にしつつ、自社の差別化ポイントを見つけるヒントにもなります。

    失敗しないBtoB広告の始め方6ステップ

    それでは、具体的にBtoB広告の始め方を6ステップに分けてご紹介します。すでに出稿済みの方も、見落としている手順がないかご参考にしてください。

    1. ターゲティング設定

    BtoB広告の成功は、適切なターゲットにリーチできるかにかかっています。単なるデモグラフィック情報だけでなく、企業の特性や意思決定プロセスを深く理解することが重要です。

    ICP:Ideal Customer Profileの明確化

    ICPとは日本語で「理想的な顧客像」を意味し、特にBtoBマーケティングにおいて重要な概念です。自社の製品やサービスが最も価値を提供でき、かつ自社にとって最も利益をもたらす可能性の高い企業の特性を具体的に定義したものです。

    • 企業属性: 業種(例:製造業、IT、医療)、企業規模(従業員数、売上高)、本社所在地、上場・非上場など。
    • 課題・ニーズ: どのような課題を抱えている企業に、自社サービスが最も役立つのか。
    • 現在の状況: 競合他社の製品を使っているか、全くシステムを導入していないか。
    • 技術スタック: どのようなツールやシステムを既に導入しているか。

    ペルソナ(意思決定者)の特定

    ペルソナとは、自社の広告を届けたい具体的な個人像を指します。先ほどのICPとの違いは、「ペルソナ」は個人を指すのに対し、「ICP」は企業そのものの属性に焦点を当てています。

    • 役職・部署: 誰が購買決定に関わるのか(例:情報システム部長、経営企画担当、現場のマネージャー)。
    • 職務内容・責任: 日々の業務でどのような課題を抱えているのか。
    • 情報収集源: どのようなメディアや情報源から情報を得ているのか(例:業界専門誌、特定のWebサイト、SNS、展示会)。
    • 購買プロセス: 意思決定に関わる人数、承認フロー、検討期間など。

    ターゲティング方法の選択

    次に、ターゲットユーザーに適したターゲティング設定を選択します。以下に一例をご紹介します。

    • キーワードターゲティング: Googleリスティング広告などで、企業の課題やニーズを表すキーワードを設定。
    • コンテンツターゲティング: 特定の業界メディアや関連性の高いWebサイトに広告を配信。
    • カスタムオーディエンス: 既存顧客データや見込み顧客のメールアドレスリストを活用し、類似オーディエンスにリーチ。
    • 地域ターゲティング: 特定の地域に限定してサービスを提供している場合。

    【詳しくはこちら】【2025年最新】Google広告のターゲティング種類一覧と設定方法を徹底解説!

    2.KPI設定

    最終目標: 広告で何を達成したいのか?(例:新規リード数、商談化数、契約数、特定サービスの認知度など)を明確にし、その数値的目標=KPIを設定します。

    【詳しくはこちら】【WEB広告】KPIとは?指標の種類や設定手順を解説

    KPIの設定には、KPIツリーの活用がおすすめです。以下に、リスティング広告のKPIツリーの一例をご紹介します。

    例えば、目標獲得CV数を100件とします。CVRが1%とすると、目標クリック数が10,000件と分かります。この目標クリック数を達成するために、ターゲティングの見直しや、入札先着の見直しなどの施策が有効だと考えられます。

    【詳しくはこちら】リスティング広告をロジックツリーで改善!CVアップ&CPA削減まで作成方法を解説

    3. 広告の予算決定

    KPIを設定したら、その目標を達成するための予算を設定しましょう。予算決定は、tROAS(目標費用対効果)やtCPA(目標顧客獲得単価)からの逆算がおすすめです。

    LTV(顧客生涯価値)の算出

    BtoB商材は、顧客単価が高く、長期的な関係性によるLTVが大きい傾向にあります。LTVを考慮することで、1リードあたりの許容CPA(顧客獲得単価)を明確にできます。

    LTV = 平均顧客単価 × 平均契約継続期間

    目標ROAS(目標費用対効果)の設定

    ROAS(Return on Ad Spend)は、広告費用対効果を測る代表的な指標の一つです。広告運用の費用に対してどれだけの売り上げがあげられたのかの割合を示すものです。

    ROAS = 広告から得られた売上 ÷ 広告費用 × 100

    目標ROAS(目標費用対効果)とは、広告の費用に対しての売り上げの目標を指します。

    例えば、以下の状況を考えます。

    • 1件の商品購入の年間売り上げが100,000円
    • 売り上げのうち、30%(30,000円)が広告費の最大許容額

    100%の売り上げを得るために30%の広告費用を許容できるため、目標ROASは100%÷30%=約333%になります。つまり、広告費用1円あたり3.33円の売り上げを目指すとなります。

    目標CPA(目標顧客獲得単価)の設定

    CPA(Cost Per Action)とは、顧客一人を獲得するためにかかった広告費用を示す指標です。広告運用においては、CV(商品購入、資料請求、会員登録など)1件獲得あたりにかかった広告費用を指します。

    CPA(顧客獲得単価)=広告費用÷コンバージョン数

    目標CPA(目標顧客獲得単価)とは、顧客一人を獲得するためにかかる費用の目標値を指します。

    1件のコンバージョンが最終的にもたらす利益から、1件のコンバージョンに対して最大でいくらまで広告費用をかけらるのかを設定します。

    例えば、以下の状況を考えます。

    • 1件の契約当たりの年間利益が240,000円
    • このうち20%(48,000円)が新規顧客獲得のための広告費の最大許容額
    • 契約までは資料請求→商談→成約というステップを取る
    • このうち、資料請求100円で10件の成約が見込める

    以上から、1件の資料請求にかけられる費用=目標CPAは48,000円÷10件=4,800円となります。

    【詳しくはこちら】【WEB広告】CPAとは?計算式や改善方法、成功事例を徹底解説!

    4. クリエイティブとメッセージングの作成

    次に、先ほど設定したターゲティング設定に基づいて広告クリエイティブを作成します。一般的な広告クリエイティブ作成のポイントは、以下をご覧ください。

    【詳しくはこちら】【CTR改善】成果を出す広告クリエイティブとは?制作の8ステップや成功事例を解説

    BtoB広告の広告クリエイティブ

    BtoB広告のクリエイティブとメッセージは、企業の課題解決に焦点を当てることが不可欠です。 製品の機能だけでなく、「この課題を解決できる」「このようなメリットがある」といった、ターゲット企業が抱える具体的な課題と、それを解決することで得られる価値を明確に提示します。

    また、権威性や信頼性を高めるために、導入事例、お客様の声、実績データ、業界受賞歴などを盛り込むことも有効です。

    ABテストで広告クリエイティブを改善

    広告クリエイティブの改善には、ABテストがおすすめです。ABテストとは、広告クリエイティブの一部の要素を変えた複数パターンを用意し、実際にそれらを運用した上でどちらが成果を出せたかを検証する手法です。ABテストを実施することでデータに基づいた意思決定ができる他、運用失敗のリスクを低減することもできます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

    【詳しくはこちら】【事例あり】広告のABテスト完全ガイド!効果的な手順から活用法まで徹底解説

    5. ランディングページ(LP)の最適化

    広告をクリックしたユーザーが最初に到達するランディングページは、コンバージョン率に大きく影響します。広告クリエイティブの最適化だけではなく、ランディングページの最適化も併せて進めましょう。以下にそのポイントをいくつかご紹介します。

    • 広告との一貫性: 広告のメッセージとLPの内容が一致しているかを確認します。
    • 課題解決への道筋: 訪問者の課題を明確にし、自社サービスがどのようにその課題を解決できるかを具体的に示します。
    • 導入事例や実績:信頼性を高めるための具体的な事例や顧客の声を掲載します。
    • CTAの最適化:複数設置し、目に留まりやすいデザインにします。
    • 入力フォームの最適化(EFO):入力項目を最小限にし、送信ボタンは分かりやすくします。エラー表示なども分かりやすく

    【詳しくはこちら】LPOとは?その方法や分析ツール、事例を解説

    6. 効果測定と改善

    BtoB広告は運用型広告が中心となるため、継続的な効果測定と改善が不可欠です。広告媒体の管理画面もしくは専門ツールを導入し、KPIを達成できているかを分析、その結果に基づいて改善を行いましょう。

    【詳しくはこちら】【事例あり】WEB広告の効果測定とは?指標や測定方法、検証ツールを徹底解説

    【成功事例】BtoB広告の運用にお悩みの場合は、広告代理店への依頼がおすすめ!

    ここまでBtoB広告の広告媒体や広告戦略について解説しましたが、「なかなか成果が出ない…」とお悩みの方も多いと思われます。そのような場合は広告代理店へBtoB広告の運用を依頼することがおすすめです。ここでは、実際にfree web hopeが広告運用のご支援を行い「目標CV達成率140%超」に成功した事例をご紹介します。

    目標CV達成率140%超!サービスの認知度向上にも寄与した“筋フルエンサー”記事はどう作られた?

    ジタル広告の「制作」から「改善」まで全工程をワンストップで完結させる、デジタルマーケティングプラットフォーム「Squad beyond(スクワッド ビヨンド)」を運営する株式会社SIVA。

    杉浦稔之様と、本プロジェクトでPR記事のライティングを担当したfree web hopeの黒須仁美が、お取り組みを振り返りました。

    抱えていた課題

    • お客様に適切なベネフィットを伝えるための第三者視点がほしい
    • Squad beyondを知らない人にも認知と理解をしてもらう

    free web hopeのソリューション

    • PR記事の企画
    • PR記事制作
    • 本サービスを利用した上でのLP制作
    • 広告運用戦略の策定
    • 広告運用実行支援
    • EFO/LPOの設計/実行
    • バナーABテスト設計/実行

    free web hopeのソリューション

    • 目標CV数達成率 140%超え
    • CPAも目標より5,000円以上低くなった
    • 会社の知名度が向上

    ご相談当時の課題を教えてください。

    杉浦様:課題というか懸念していることがありました。自社でプロダクトの開発、マーケティングを行っていると、プロダクトへの想いが強くなりすぎ、お客様のインサイト、伝えるべきベネフィットが見えづらくなることがあります。

    お客様に適切なベネフィットをどう伝えるか、それを考えるには第三者の視点が必要かもしれない」と感じているところでした。

    free web hopeを選んでいただいた理由を教えてください。

    杉浦様:コミットメントする姿勢と企画力、熱量が他社と違った点を評価しました。数社から提案を受けていましたが、他社は当社サービスへの理解が不足しており、当社の課題を解決すると思えないものもありました。

    一方、free web hopeさんは当社サービスのユーザーであり、サービス理解が高く、非常に考えられた提案をいただけました。そして熱意が伝わってきました。

    黒須:Squad beyondの現状を踏まえると、お客様にベネフィットを伝えることと、認知獲得が必要であると考え、PR記事6本を制作しました。

    エンタメ色の強い企画に決まった背景はなんでしょうか。

    黒須:通常BtoBプロダクトのPR記事は、いわゆる太鼓持ちな“使ってみた記事”が散見され、そもそも読まれにくいものもあります。

    そこで、認知獲得のためのPR記事は、プロダクトの紹介とともに読み物としてのおもしろさにフォーカスしました。“筋フルエンサー”を起用したのは、そのおもしろさとともにSquad beyondを認知していない広告運用担当者に追体験をしてもらうためです。

    運用後、課題は解決されましたか?

    杉浦様:課題であったプロダクトの提供するベネフィットが適切にお客様へ伝わり、定量・定性で効果がありました。

    定量面は、企画を実施した1ヶ月で「CV:53件|CVR:2.15%|CPA:¥9,562」の実績が出ました。当初想定していたCV数からの達成率は140%を超えています。CPAも目標より5,000円以上低い結果でした。本企画終了後は、納品いただいたLPを再利用して自社でLPを作成・運用していますが、そこからもCVが発生してます。それだけ優れたLPを作成いただけたと感じています。

    定性面の効果は、会社の知名度が向上したことです。本企画がSNSでバズったおかげで、社員が「あのSquad beyondの会社で働いているの?」と声を掛けられる機会が増えたようです笑

    【詳しいインタビューはこちら】目標CV達成率140%超!サービスの認知度向上にも寄与した“筋フルエンサー”記事はどう作られた?

    まとめ|自社に合ったBtoB広告を見つけて今すぐ実践しよう!

    BtoB広告は、企業の成長に欠かせない強力なマーケティング手法です。この記事では、BtoB広告の基本から具体的な手法、媒体選び、成功のための戦略、そして成功事例まで解説しました。重要なのは、自社の製品・サービス、ターゲット顧客、そして目標に合った広告戦略を見つけ、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善していくことです。この記事が自社に最適なBtoB広告施策を見つけることのお役に立てれば幸いです。

    株式会社free web hope はCX(顧客体験)とデータサイエンスを広告戦略に組み込み事業成長を支援する広告代理店です。

    長年の経験で積み上げた独自のフレームワークで、データサイエンスに基づく予測分析と市場調査を行い、「顕在層」だけでなく「準顕在層」にまで視野を広げ戦略的運用を提供しています。

    広告運用でお悩みでしたらまずはfree web hopeに!公式HP、左下のボタンからお悩みをお聞かせください。

    【free web hopeの広告運用支援実績はこちらから】free web hopeが手掛けた広告運用の支援実績を大公開!

    監修者:古瀬純功

    free web hopeの広告運用コンサルタントとして、広告運用支援やweb解析、ダッシュボード作成を担当:Xアカウント

    【FAQ】BtoB広告についてよくある質問

    【Q1】BtoB広告の種類はどのようなものがありますか?

    BtoB広告は、主にオンライン広告とオフライン広告の2種類に分けられます。それぞれの代表的な広告手法は以下の通りです。それぞれに強みや適向いている商材タイプがあります。詳しくは【BtoB広告に強い広告手法と選び方】の章をご覧ください。

    オンライン広告

    • リスティング広告
    • ディスプレイ広告(バナー広告)
    • リマーケティング広告(リターゲティング広告)
    • SNS広告
    • 動画広告
    • 記事広告・純広告
    • メールマガジン

    オフライン広告

    • マス広告
    • 交通広告

    【Q2】BtoB広告の予算はどのぐらい必要ですか?

    BtoB広告はターゲットとする市場規模や商材の単価、目標コンバージョン数などによって大きく異なるため、一概には言えません。ここではBtoB広告の予算感や設定方法について解説します。

    単価が高い傾向

    BtoB商材は単価が高く、検討期間も長いため、顧客獲得単価(CPA)がBtoC広告に比較し高くなる傾向にあります。そのため、ある程度の予算確保が必要です。一方、Web広告は小額からスタート可能です。

    予算の設定方法

    例えば、許容できる目標CPA(目標顧客獲得単価)と獲得したコンバージョン数から、最低限必要な予算を算出できます。

    例:

    許容できるCPA:資料請求1件当たり5,000円

    獲得したいコンバージョン数:月20件

    最低限必要な予算:5,000件×20件=100,000円

    このほかにも、目標ROAS(目標費用対効果)などから算出する方法もあります。

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