YouTubeの「インフィード動画広告」とは?
「インフィード動画広告」(旧TrueViewディスカバリー広告)は、YouTubeの検索結果や関連動画の「次のおすすめ」欄などに表示される広告です。ユーザーが広告のサムネイルをクリックまたはタップすると、その動画のYouTube再生ページが開きます。インフィード動画広告は、視聴者にとって自然に表示されるため、広告感が少なく、不快感を与えにくいという特徴があります。
他のYoutube広告の種類については、以下で説明しています。
> Youtube広告とは?仕組みや課金形態、5つの広告フォーマットについて紹介
インフィード動画広告はユーザーの目に留まりやすい広告形式
インフィード動画広告は、YouTubeでコンテンツを探している視聴者に「関連性の高い動画」として自然に表示される広告です。検索結果や「次のおすすめ動画」セクションに表示されるため、視聴者の目に留まりやすく、クリックされる可能性が高まります。また、インフィード動画広告は視聴者に「興味を持てそうな動画」として認識されやすいので、クリック率(CTR)やエンゲージメントの向上にもつながり、視聴者にストレスを与えにくい点も大きな魅力です。
インストリーム広告との違い
Youtube広告において、インフィード動画広告と違いを問われるのが、「インストリーム広告」です。
結論、両者は「表示される場所」やターゲットユーザーへのアプローチ方法が異なります。
- インフィード動画広告: 動画の一覧に表示される広告。ユーザーがクリックしない限り動画再生は開始されない
- インストリーム広告: ユーザーが動画を視聴している際に、動画の間で「強制的」に流れる広告。
インストリーム広告について詳しく知りたい方は、以下をご参考ください
> Youtubeインストリーム広告完全ガイド!特徴や入稿方法、広告作成のコツまで
インフィード動画広告が表示される場所とは?
インフィード動画広告の効果は、表示される場所によって大きく変わります。YouTubeには、広告が表示される主な場所が3つあり、それぞれに異なる目的があります。
検索結果ページ
インフィード動画広告は、YouTubeのパソコン版、モバイルアプリ、テレビ向けYouTubeアプリの検索結果ページで表示されます。ユーザーがキーワード検索を行った際に、検索結果の上部に広告が表示される仕組みです。ユーザーが「何かを探している状態」にあり、その意図に合った広告が表示されると、クリックされる確率が高くなります。インフィード広告は、オーガニック動画の上部に表示されるため、自然と視認性が高くなる点も大きなメリットです。
「次のおすすめ」セクション
動画再生中、画面の横や下に表示される「次のおすすめ動画」セクションにもインフィード動画広告が登場します。ユーザーが次に視聴したい動画を探しているタイミングで表示されるため、関連性が高い広告は視聴者の関心を引きやすくなります。インフィード動画広告は、パソコンでは、メインの動画の横に関連動画と一緒に表示され、モバイルでは、メインの動画の下に関連動画と一緒に表示されます。
ホームフィード
Youtubeアプリのトップページの最上部、または動画と動画の間に広告が表示されます。トップページのホームフィードは、YouTubeを訪れるユーザーが最初に目にするため、視認性が一番高い場所です。また、ユーザーがコンテンツを探している状態で表示されるため、興味を引きやすく、広告効果が最大化されやすい場所と言えます。
広告は、モバイルでは、フィードの最上部(マストヘッド広告がユーザーに配信されていない場合)かフィード内の動画と動画の間に表示。パソコンでは、最初のおすすめ動画として、またはフィード内の動画と動画の間に表示され、テレビでは、おすすめ動画のリストに表示されます。
ただし、キャンペーンで「コンテンツターゲット」を使用すると、YouTube ホームフィードには広告が表示されなくなるので注意しましょう。
インフィード動画広告を利用するメリット
インフィード動画広告を利用することで、以下のようなメリットを得られます。
- ユーザーへ「広告ストレス」を感じさせない
- ユーザーが「クリック」や「視聴」をしやすい動線設計を作れる
- ユーザーへチャンネル登録や動画のシェア、他の動画視聴を促進しやすくなる
- ユーザーが他の商品と比較しているときに、動画を通じて「信頼感」を築くことができる
インフィード動画広告を始めるために必要なもの
インフィード動画広告を始めるには、以下の準備が必要です。
アップロード済みのYouTube動画
インフィード動画広告は、YouTubeに既にアップロードされた動画のURLを使用します。したがって、広告用の動画を事前に作成し、YouTubeチャンネルにアップロードしておく必要があります。
もし企業用のYouTubeチャンネルがまだない場合は、Youtube Studioでチャンネルを作成し、動画をアップロードしてオーガニックに投稿しておくことがインフィード動画広告を開始するための基本的な条件となります。
また、YouTube動画の公開設定が「非公開」の場合、インフィード動画広告として配信することができません。動画をアップロードした後は、公開設定を「公開」または「限定公開」に設定しましょう。
動画作成時のポイント
- サムネイル: 視覚的に目を引く画像を作成しましょう。
- タイトル: 視聴者の興味を引き、広告内容を簡潔に伝えるタイトルを付けましょう。
- 動画内容: 動画の冒頭5秒で視聴者の注意を引きつけ、興味を持たせるような構成を心がけましょう。
インフィード動画広告を出稿するには、YouTubeの入稿規定を遵守することが大切です。次に、広告入稿時の規定について詳しくご紹介しますので、参考にしてください。
インフィード動画広告の入稿規定
インフィード動画広告を効果的に運用するには、YouTubeが定める入稿規定を理解し、適切な形式で広告を作成することが重要です。以下で、インフィード動画広告の入稿規定と注意点を見ていきましょう。
YouTube広告ではMP3、WAV、PCM形式の音声ファイルをサポートしていません。動画広告を制作する際には、対応するファイル形式を使用することが重要です。規定を守れていないと、広告の掲載が適切に行われない場合があるので注意です。
さらに、「広告見出し」は、半角25文字(全角12文字)を超える場合に注意が必要です。一部のデバイスでは、見出しが自動的に短縮されることがあります。また、広告見出しは、パソコンやテレビの動画再生ページには表示されず、モバイル端末でも非表示となる場合があります。見出しを短く簡潔にし、主要な情報を確実に伝えるよう工夫しましょう。
広告の説明文は、パソコンの動画再生ページやテレビ画面では表示されません。そのため、重要なメッセージは動画自体や見出しで伝えることが必要です。モバイル端末を中心に表示されることを意識し、ユーザーに響く内容を検討しましょう。
インフィード動画広告を出すための設定手順|5ステップ
ここでは実際に、Youtubeでインフィード動画広告を出す方法を紹介していきます。
なお、Youtubeですでに動画をアップロードしていることを前提に解説していきますので、まだアップロードが完了していない場合は、そちらを済ませておく必要があります。
- Google広告アカウント位にログインし「新しいキャンペーンを作成」
- キャンペーン目標・タイプ設定する
- 入札戦略・ターゲティング設定
- 動画や説明文を追加
【1】Google広告アカウント位にログインし「新しいキャンペーンを作成」
Google広告にログインし、管理画面上で[キャンペーン]<[新しいキャンペーンを作成]の順に進みます。
【2】キャンペーン目標を設定する
以下の画面に切り替わったら、キャンペーンの目標を選択しましょう。 Googleはインフィード動画広告において、「商品やブランドの比較検討」をキャンペーン目標として推奨しているため、今回は「ブランド認知度と比較検討」を選択して進めていきます。
キャンペーン目標を設定したら、キャンペーンタイプとして「動画」を選択します。
同じく、キャンペーンのサブタイプも選択しておきましょう。今回は「認知」を目標に進めていくので、「動画のリーチ」を選択します。選択したら「次へ」をクリックしましょう。
【3】入札戦略やターゲティング設定
キャンペーン設定が終わると、以下のような設定画面に移ります。まずは広告フォーマットを「インフィード広告」のみを選択しましょう。(デフォルト設定では、インストリーム広告とYoutubeショート広告が選択されているので、チェックを外します)
次に、入札戦略を設定します。インフィード動画広告では以下の二つの入札戦略から選択できます。
- 上限広告視聴単価(1回の視聴に対しての課金上限値)
- 目標インプレッション単価(1,000回の広告表示に対して課金)
入札戦略の詳しい内容は以下の記事で解説していますので、「どっちを選んでいいかわからない、、」という場合は一度事前にチェックしておきましょう。
> 【最新版】Google広告|入札戦略一覧!おすすめの入札戦略や設定方法を紹介
予算、日程を設定し終わったら、、デバイスを「すべての対象デバイス」に設定します。ちなみに、「フリークエンシーキャップ」の設定は、インフィード動画広告には適用されませんので、設定しなくて大丈夫です。
続いて、「コンテンツ」からキーワード・トピックなどのターゲティング設定、オーディエンスのターゲティング設定を行います。
オーディエンスターゲティングは、年齢や性別などのユーザー属性やユーザーの興味・関心などのデータに基づいて設定できます。
なお、ターゲティングについて詳しく知りたい場合は、以下をご参考ください。
> Google広告オーディエンスターゲティングとは?セグメント種類や設定方法など解説
また、「除外設定」もターゲティングにおいては欠かせません。「広告を表示しない」設定をすることで無駄に課金されるのを防ぐことができます。除外設定について詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひ参考にして見てください。
> わかりやすい!Google広告の除外キーワード設定方法や正しい選び方を徹底解説
【4】動画や説明文を追加
続いて、YouTubeにアップロード済みの動画のURLをコピーします。その後、Google広告の管理画面で、画面左側の検索タブにURLをペーストします。画面右側上部のタブで「インフィード動画広告」が選択されていることを確認してください。設定を間違えると、他の広告形式として配信されてしまいます。
「最終ページURL」には、YouTubeから遷移先となるページのURLを指定します。多くの場合、自社のランディングページや特定の商品・サービスページが設定されます。
プレビュー画面を利用し、広告がどのように表示されるかをイメージします。広告見出しや説明文がユーザーの「目」と「心」に響くかどうか、テキストが切れていないかなどを確認しつつ、必要に応じて調整しましょう。
- 広告見出し: 視聴者の目を引く短く簡潔な見出しを作成しましょう。
- 説明文1・説明文2: 商品やサービスの詳細、メリットを記載。見出しを補完する内容を意識して書きます。
- 広告名: 広告管理用に設定。外部には表示されませんが、他の広告と区別するためにわかりやすい名前を付けましょう。
広告見出しについては、半角25文字(全角12文字)を超える場合に注意が必要です。一部のデバイスでは、見出しが自動的に短縮されることがあります。
最後に、「入札単価」を設定し、「キャンペーンの作成」をクリックし、設定完了です。
効果的なインフィード動画広告を作るポイント
インフィード動画広告で広告効果を得るためには、クリエイティブの質が欠かせません。特に重要な要素は以下です。
- 目立つサムネイル
- 「クリックしたくなる」広告文・見出し
- ユーザーニーズを満たす動画内容
目立つサムネイル
インフィード動画広告は、YouTubeに投稿されている他のオーガニック動画と並んで表示されます。そのため、ユーザーにクリックしてもらうためには、他のサムネイルと差別化できるデザインや色合いが重要。シンプルすぎるデザインや、他の動画と似たようなサムネイルだと、ユーザーが広告を見過ごす可能性が高くなります。インフィード広告のサムネイルは、YouTube Studioを使って変更・編集します。Google広告の管理画面ではサムネイルを変更することはできませんので、必ずYouTube Studioで作業を行うようにしましょう。
「クリックしたくなる」広告文・見出し
インフィード動画広告では、ユーザーが思わずクリックしたくなるような広告文を作ることが大切です。商品のアピールだけでなく、視聴者が「この動画を見たい」と感じる内容にすることがポイントです。
例えば、美容関連の広告なら「簡単!30秒で美肌ケア」や「1週間で効果実感!」など、視聴者の好奇心を引き、「自分でもできそう」と感じさせる言葉が効果的です。広告文を作成する際は、視聴者の反応を分析し、PDCAを回して改善していきましょう。
一点注意したいのが、広告文は表示されるデバイスや広告枠によって、表示できる文字数が異なる点です。特にモバイルでは、見出し部分に表示できる文字数が少なく、パソコンと比べると、重要な部分が省略されてしまうことがよくあります。「今すぐ確認」や「限定オファー」といったアクションを促す言葉を冒頭に使うと、視聴者の関心を引きやすくなります。
ユーザーニーズを満たす動画内容
インフィード動画広告を効果的にするためには、視聴者が「見たい!」と思う内容を提供することが重要です。広告でありながら、視聴者にとって価値があり、興味を引く内容を作ることが求められます。特に最初の5秒が勝負です。5秒という短い時間で視聴者の関心を引かないと、すぐに動画をスキップされてしまいます。強いビジュアルやキャッチーな言葉を使って、視聴者の興味を引きましょう。
また、動画の目的は最初から明確に伝えることが大切です。視聴者が「自分にとって役立つ」と感じる内容を、わかりやすく、簡潔に伝えるよう心がけましょう。そのためには、ICE(情報、共感、エンタメ)を意識して、視聴者のニーズに応えることが重要です。また、役立つ情報や感情を動かすストーリーを加えると、視聴者の心をつかみやすくなります。
自社の商品やサービスを無理に売り込むのではなく、視聴者が「これなら自分に必要だ」と感じる内容を意識することが大切です。視聴者目線でコンテンツを作成することで、より効果的な広告になります。
最後に、動画を公開した後はどの部分が効果的だったかを分析し、次回に生かすために改善点を見つけましょう。PDCAサイクルを回すことで、より効果的な広告が作れるようになります。
よくある疑問と解決策
Q1: Youtube広告においてオーディエンスリストはどう作成できる?
YouTube広告では、Google 広告とYouTubeチャンネルを連携させることで、過去に自社の動画を視聴したユーザーや、高評価をした視聴者をターゲットにしたリストを作成することができます。
Google 広告とYouTubeチャンネルを連携させることで、次のようなオーディエンスリストが作成できます。
- チャンネルの動画を視聴したユーザー
- チャンネルの動画を広告経由で視聴したユーザー
- チャンネル登録したユーザー
- チャンネル ホームページにアクセスしたユーザー
- チャンネルの動画を高く評価したユーザー
- チャンネルの動画を再生リストに追加したユーザー
- チャンネルの動画を共有したユーザー
など
Google 広告アカウントのリンクを YouTube上で行う方法
- YouTube Studio にログイン
- [設定]<[チャンネル] の順にクリック
- [詳細設定] タブをクリック
- [アカウントをリンク] をクリック
- リンクの名前と Google 広告のお客様ID (Google広告アカウント管理画面に [アカウント情報] に表示されているもの)を入力して、付与する権限を選択
- [完了] <[クリック]
- Google 広告アカウントの所有者からリクエストが承認されたのち、Youtubeアカウントがリンクされる
参考:サービス間のリンク設定: YouTube チャンネルまたは YouTube 動画と Google 広告アカウントをリンクするーYoutubeヘルプ
Google 広告上でYouTube チャンネルをリンクする方法
- Google 広告の管理画面で [ツール] アイコン をクリック
- [データマネジャー] をクリック
- [サービスを接続] をクリック
- [YouTube] を見つける
- [チャンネルをリンクする]をクリックし、チャンネルを検索するか URL を入力して [次へ] をクリック
- 「視聴回数」「エンゲージメント」「Youtubeオーディエンスセグメント」を設定し[完了]をクリック
参考:サービス間のリンク設定: YouTube チャンネルまたは YouTube 動画と Google 広告アカウントをリンクするーYoutubeヘルプ
Q2: 動画が承認されない理由は?
入稿規定を守れていないことが原因かもしれません。動画のアスペクト比やファイル形式、タイトルが規定を満たしているか確認しましょう。
Q3: 広告費用が思ったより高くなるのはなぜ?
入札設定やターゲットが最適化されていない可能性があります。ターゲットの絞り込みやCPV(視聴単価)の再設定を行い、適切な予算配分を心がけましょう。
Q4: インフィード動画広告とインストリーム広告、どちらを選ぶべき?
目的に応じて選択しましょう。ブランド認知を重視する場合はインフィード動画広告がおすすめ。動画再生数を伸ばしたい場合はインストリーム広告が効果的です。
まとめ
今回は、YouTube広告の「インフィード動画広告」について解説しました。YouTube広告を運用する際に重要なのは、単に設定を行うことではなく、ルールを守りながらも、いかに印象的な広告を提供できるかです。広告の見出しや説明文は、単なる情報伝達にとどまらず、視覚的に魅力的で、ユーザーが思わずクリックしたくなるような仕掛けが求められます。「どう伝えるか」だけでなく、「どんな体験を提供できるか」を考えることが、YouTube広告成功の基本と言えるでしょう。
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