インストリーム広告とは?
インストリーム広告とは、YouTubeで動画を再生する際に、再生前・再生中・再生後に流れる広告のことを指します。Youtubeのインストリーム広告には「スキップ可能な広告」「スキップ不可な広告」「バンパー広告」といった3つの種類があります。
インストリーム広告と関連してよく聞かれるのが「アウトストリーム広告」。YouTubeにおけるアウトストリーム広告とは、動画以外の場所に表示される広告を指します。たとえば、YouTubeのサイドバーや動画下部に配置される広告などです。アウトストリーム広告は、インストリーム広告ほど視認性は高くありませんが、より広範なターゲットにリーチできる可能性がある点が特徴です。
以下でYoutube広告のフォーマットについて解説していますので、ぜひご参考ください。
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インストリーム広告のメリットとデメリット
インストリーム広告は、動画再生前後や途中で必ず表示されるため、視聴者の目に確実に触れるという大きなメリットがあります。ですが、一方で視聴者の行動や反応によっては、期待した効果が得られない場合もあります。以下でメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
- 【メリット①】TVで動画を視聴するユーザーにもリーチできる
- 【メリット②】YouTubeはユーザーの購買行動を促しやすい
- 【デメリット①】注目されずにスキップされると意味がない
- 【デメリット②】ユーザーへ嫌悪感を与えてしまう場合がある
【メリット①】TVで動画を視聴するユーザーにもリーチできる
YouTubeはスマートフォンだけでなく、テレビ画面で視聴される機会も増えています。2021年12月のStatistaの調査によると、16~49歳のユーザーの約70%がスマートフォンで視聴していますが、次いで多いのがテレビで、全体の約30%を占めています。また、Googleの調査では、テレビ画面でYouTubeを視聴する人の約50%が家族や友人と一緒に視聴していることがわかっています。
引用:月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に
このように、YouTube広告はテレビCMに代わる広告媒体として、家庭でテレビを見る幅広い年齢層にアプローチできる点が魅力です。特にリビングの大画面で視聴されることで、広告の視認性が高まり、より集中して見てもらえる効果が期待できます。
【メリット②】YouTubeはユーザーの購買行動を促しやすい
引用:生活者に選ばれる YouTube、商品購入に強い影響力 —— 「ブランド・ジャパン」でも 1,000 ブランド中 1 位- think with Google
YouTubeは視覚と聴覚にアピールし、ユーザーの「感情」を動かすことを得意としています。Googlの調査によると、アクティブユーザーの71%が「Youtubeの影響で、もともと買う予定のなかったものを買ったことがある」と回答しています。よって、ユーザーの購買行動に直接影響を与えたい場合には有効なプラットフォームといえるでしょう。
【デメリット①】注目されずにスキップされると意味がない
スキップ可能なインストリーム広告では、最初の5秒間で視聴者の興味を引くことがカギです。冒頭部分が印象に残らなければ、視聴者はすぐに広告をスキップしてしまいます。広告は多くの人にとって「邪魔なもの」と感じられがちなので、最初に「おっ?」と思わせるようなインパクトが必要です。スキップされてしまうと、広告効果は薄れ、広告費だけがかかってしまうことになります。
【デメリット②】ユーザーへ嫌悪感を与えてしまう場合がある
現代人は、日々膨大な数の広告にさらされており、多くの人が「広告疲れ」を感じています。YouTubeも例外ではなく、「暇つぶし」や「調べ物」を目的に視聴している人にとって、広告はその体験を妨げる存在になりがちです。特に、休憩中やリラックスしている時間に広告が頻繁に流れると、視聴者に嫌悪感を抱かせてしまうことがあります。これを防ぐためには、広告内容や表示頻度(フリークエンシー)を適切に設定し、視聴体験を損なわない配慮が必要です。
YouTubeにおけるインストリーム広告の配信タイミング
ここでは、インストリーム広告が配信されるタイミングパターンを紹介していきます。
【1】プレロール
動画が始まる前に再生される広告です。視聴者全員に確実にリーチできるのがポイント。
「動画を見る前に必ず目にする」ため、新商品の告知やブランド認知を高めたいときに特に効果的です。
【2】ミッドロール
動画の途中に挿入される広告で、長時間の動画でよく使われます。視聴者が動画に集中しているタイミングで配信されるため、目に留まりやすいのが魅力です。ただし、視聴中に割り込む形になるため、「邪魔だな」と感じられるリスクもあります。内容次第で好印象にも悪印象にもなりやすいので、視聴者の興味を引くような広告を心がけましょう。
【3】ポストロール
ポストロール広告は、動画が終了した後に再生される広告のことです。動画を最後まで見た視聴者に向けて配信されるため、特にコンテンツに満足した人にメッセージを届けるのに効果的です。
ただし、多くの視聴者は動画が終わると次のコンテンツに移ったり、アプリやブラウザを閉じたりしてしまう傾向があります。
インストリーム広告の種類
Youtubeにおけるインストリーム広告の種類は以下の3つがあります。
- スキップ可能なインストリーム広告
- スキップ不可なインストリーム広告
- バンパー広告
スキップ可能なインストリーム広告
スキップ可能なインストリーム広告は、再生が始まって5秒後に「スキップ」ボタンが動画の右下に表示されます。広告を最後まで見るかスキップするかを選べるタイプなため、負担が少なく感じられますが、内容が面白くないとすぐスキップされることも。
なので、短い時間で「おっ」と目を引くような工夫が大事。思わず見続けたくなるクリエイティブな広告作りがポイントです。
スキップ不可なインストリーム広告
スキップ不可なインストリーム広告は、名前の通りスキップができない広告です。15秒以内の広告を必ず最後まで見てもらう形式で、「完全視聴型」とも呼ばれます。完全視聴型の強みは、確実に視聴者にメッセージを届けられること。ブランドや商品の印象をしっかり残したいときに効果的です。
ただし、強制視聴なので「ちょっと押し付けがましいな」と感じられるリスクも。視聴者が気持ちよく見られるよう、魅力的でストレスを感じさせない内容を心がけましょう。
バンパー広告
バンパー広告は、6秒間再生されるスキップできない広告です。6秒という短さゆえ、視聴者への負担が軽いのが魅力ですが、短時間で伝えたいことをギュッと詰め込む必要があるので、メッセージをシンプルかつ分かりやすく仕上げるのがポイントです。
なお、ブランドを印象づけたいときや認知度を高めたいときに向いています。
インストリーム広告の課金形態
Youtubeにおけるインストリーム広告には以下の3つの課金形態が存在します。
- 広告視聴単価(CPV課金)
- 目標コンバージョン単価(目標 CPA課金)
- 目標インプレッション単価(tCPM課金)
広告視聴単価(CPV課金)
- 課金条件:1 回の再生に対して課金。(30 秒間(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴、または広告を操作した場合。)
- 特徴:スキップ可能な広告のみ利用できる。30秒以内にスキップされた場合は課金されない。
- 利用できる目標:「商品やブランドの比較検討」を目指す動画キャンペーン。
目標コンバージョン単価(CPA課金)
- 課金条件:指定した1件のコンバージョンあたりの平均目標額に基づく
- 特徴:コンバージョン数最大化のために入札単価を調整。実際の単価は目標値から上下することも。
- 利用できる目標:「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」。
目標インプレッション単価(tCPM課金)
- 課金条件:広告1,000回表示されると課金
- 特徴:スキップ不可の完全視聴型やバンパー型広告向け。インプレッション最大化を目指して調整。
- 利用できる目標:「ブランド認知度とリーチ」
YouTubeのインストリーム広告の出し方
ここでは、YouTubeでインストリーム広告を設定する方法について、手順をわかりやすく説明します。ただし、本ガイドは「すでにYouTubeチャンネルを作成し、広告に使用する動画を投稿済みであること」を前提としています。まだチャンネルや動画の準備が整っていない場合は、まずそちらの作業を完了させてから進めてください。
- Google広告で新しいキャンペーンを作成
- キャンペーン目標・タイプを設定
- 地域・予算設定
- 広告アセット設定
- ターゲットの設定
- 配信面の設定
Google広告で新しいキャンペーンを作成
Google広告アカウントにログインし、「新しいキャンペーンを作成」ボタンをクリックします。プルダウンで表示された二つのカテゴリーのうち、「新しいキャンペーンを作成」を選択してください。
キャンペーン目標・タイプを設定
「新しいキャンペーンを作成」すると、以下の画面が表示されますので、達成したいキャンペーン目標を選択しましょう。
キャンペーン目標に基づいて、サブサイプのキャンペーン目標を設定します。
上記が済んだら、キャンペーンタイプを選択します。今回はインストリーム広告ですので「動画」を選択して、「保存」しましょう。
地域・予算設定
次に、地域、言語を「日本語」にします。(日本に住んでいる日本語話者向けの場合)
次に入札戦略や予算、日程を設定しましょう。予算設定が終わったら、キャンペーンの開始日と終了日を設定します。
広告アセット設定
予算設定が済んだら、広告アセット設定です。ここでは、フリークエンシーキャップや広告スケジュールなどを設定しましょう。広告スケジュールでは、広告の配信タイミングを調整するために、配信時間帯や曜日を設定できます。例えば、ターゲット層が最もアクティブな時間帯に合わせて広告を配信することで、広告効果をさらに高めることができます。
フリークエンシーキャップとは、広告が一定期間内に視聴者に何回表示されるかを制限する設定のことで、同じユーザーに対する広告の過剰な表示を防ぐことが可能です。
ターゲットの設定
上記の設定を完了したら、次に「ターゲット」の設定です。ターゲットを設定するには広告グループを作成する必要があります。「オーディエンスを追加」を選択し、ターゲティング設定を行いましょう。
関連するトピックキーワードや、ユーザー情報、広告を表示する場所(プレースメント)など、除外設定などを行い、広告配信対象となるユーザーに向けてのみ広告が表示されるように細かく設定しましょう。なお、Google広告におけるターゲティングの設定方法や選定方法、除外設定など詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしていただけると、正確にターゲティング設定が行えるかと思います。
【おすすめ記事】
Google広告オーディエンスターゲティングとは?セグメント種類や設定方法など解説
わかりやすい!Google広告の除外キーワード設定方法や正しい選び方を徹底解説
配信面の設定
まず、YouTubeにアップロード済みの動画のURLをコピーします。その後、Google広告の管理画面で、画面左側の検索タブにURLをペーストします。ここでは、最終ページ URL(広告をクリックしたユーザーが遷移するページ)やCTA(行動を促すフレーズ)、広告見出しなどを設定する必要があります。
全ての設定内容を再度確認し、間違いがなければ「保存」をクリックしてインストリーム広告の設定は完了です。
スキップされづらいインストリーム広告を作るコツ
YouTubeで効果的な広告を作るためには、ただ広告を配信するだけでは不十分です。「スキップされづらい」広告を意識して作成することが重要です。
Googleは、2300件以上のYouTube広告を分析し、広告の効果に影響を与える要素についての調査結果を発表しています。調査によると、YouTube動画キャンペーンのパフォーマンスに影響を与える要因としては、投下量や競合ブランドの状況、季節性などがありますが、最も大きな影響を与えるのは「クリエイティブ」だとされています。
以下でインストリーム広告の種類別に作成時のコツを紹介していますのでみていきましょう。
スキップ可能・不可なインストリーム広告
引用:TrueViewインストリーム広告の分析結果(要約)ー 動画広告クリエイティブの科学:2300件のブランド効果測定結果から見えた、広告を効果的にする要素とは(Think with Google)
スキップ可能・不可なインストリーム広告では、最初の5秒で視聴者の興味を引くことがポイントです。この短い時間で引き込めるかが、スキップされずに広告を見てもらえるかに大きく影響します。
例えば、ブランド認知を目指す場合、ストーリー性を持たせて視聴者が広告に引き込まれるようにすると効果的です。「10秒後に紹介!」といった予告やカウントダウンを使うことで、自然にスキップを防ぐことができます。ただし、感動的な演出や意外性のある内容はSNSに拡散され「バズる」可能性が高い反面、ブランドメッセージが目立ちにくくなることがあるので注意です。また、ブランドのロゴやパッケージは目立つ位置に配置しましょう。
バンパー広告
引用:バンパー広告の分析結果(要約)ー 動画広告クリエイティブの科学:2300件のブランド効果測定結果から見えた、広告を効果的にする要素とは (Think with Google)
バンパー広告は、たった6秒でインパクトを与える必要があります。だからこそ、伝えたいメッセージを一つに絞り、シンプルに伝えることが大切です。例えば、「〇〇するなら△△(ブランド名)」のように、ブランド名と共に強い印象を残せるメッセージを伝えます。ブランドロゴは4秒以内に中央〜左側に配置し、視覚的なインパクトの強い色を使用することをオススメします。
まとめ
本記事では、YouTubeインストリーム広告について、種類や特徴、設定方法、効果的なクリエイティブを作成するポイントを解説しました。YouTube広告は、幅広い視聴者層にリーチできるだけでなく、視覚と聴覚を活用して強い印象を残すことができるため、広告効果が非常に高い広告媒体として注目されています。特に、スキップ可能・スキップ不可な広告やバンパー広告といったフォーマットごとの特徴を理解し、適切なクリエイティブを設計することはマスト。また、視聴者を「おっ」とさせる導入やメッセージなどが、広告パフォーマンスを向上させるポイントとお伝えしました。
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