LINE広告の4種類のターゲティング機能
LINE広告のターゲティングには、オーディエンスセグメント配信、オーディエンス配信、類似配信、自動ターゲティングの4種類が存在します。

以下で各種LINE広告ターゲティングについて解説していきます。
1.オーディエンスセグメント配信
オーディエンスセグメント配信は、ユーザーの性別や年齢、性別、地域、OS、趣味・関心、行動、属性に基づいてターゲティングする方法です。
LINE広告では、これらのLINEが持つ膨大なユーザーデータをもとに分類した「みなし属性」としてターゲティングを行なっています。
「みなし属性」とは、LINEファミリーサービスに おいて、LINEユーザーが登録した性別、年代、エリア情報とそれらのユーザーの行動履歴、 LINE内コンテンツの閲覧傾向やLINE内の広告接触情報をもとに分類したものです。(分類の元となる情報に電話番号、メールア ドレス、アドレス帳、トーク内容等の機微情報は含まれません)なお、属性情報の推定は統計的に実施され、特定の個人の識別は行っておりません。
オーディエンスセグメントの配信例としては、
- 特定の地域に住むユーザーを対象に広告を配信する
- 自社の商品に興味を持ちそうな趣味を持つユーザーを対象に広告を配信する
といった上記の場合です。
例えば、都内に住む女性にボディーケア商品を販売する場合、地域で「東京」、性別「女性」、年齢「15~64歳」、購入意向「美容・コスメ」といった具合で設定できます。
LINE広告のオーディエンスセグメント配信で設定できるセグメントは以下の通りです。
- 年齢セグメント
- 性別セグメント
- 地域セグメント
- OS
- 趣味・関心セグメント(詳細ターゲティング)
- 属性セグメント(詳細ターゲティング)
- 行動セグメント(詳細ターゲティング)
- 購買意向セグメント(詳細ターゲティング)
- Yahoo! JAPAN 興味関心セグメント(詳細ターゲティング)
- Yahoo! JAPAN 購買意向セグメント(詳細ターゲティング)
- Yahoo! JAPAN 属性・ライフイベントセグメント(詳細ターゲティング)
設定の際は、以下の各セグメントの概要一覧をぜひご参考ください。

参考:オーディエンスセグメントを利用して配信する- LINEヤフー for Business
2.オーディエンス配信
オーディエンス配信とは、ユーザーのデータを直接使ってオーディエンス(ユーザーグループ)を作成し、対象のユーザーに広告を配信するターゲティング方法です。コンバージョンの可能性が高いユーザーに広告を絞り込んで配信することができ、広告費用対効果も向上期待できます
オーディエンスの配信例としては、
- Webサイト訪問履歴があるユーザー(リターゲティング)
- 商品購入履歴があるユーザー/ 商品購入履歴があるユーザーを除外
- 過去にキャンペーンをクリックしたユーザー
といった感じで活用できます。商品購入履歴やサイト訪問履歴だけでなく、アプリ内アクションデータ、LINE公式アカウントの友だち情報をオーディエンスにして広告配信することも可能です。
なおLINEにおいてリターゲティング配信などサイト内のデータでオーディエンスを作成する場合、事前に「LINE Tag」というタグをサイトに設置する必要があります。LINE tagの設置方法は以下の記事で紹介していますので、ぜひご参考ください。
【関連記事】LINE広告の出稿方法!初心者にもわかりやすく7ステップで画像解説
【関連記事】リマーケティング広告の効果とは?仕組みや種類、リターゲティングとの違い
LINE広告の管理画面から作成できるオーディエンスの一覧は以下のとおりです。

参考:オーディエンスを使って配信するーLINEヤフーfor Business
3.類似配信

画像引用元:類似オーディエンス - LINEヤフー for Business
類似配信は、特定のオーディエンス(ターゲットユーザー)を元に、特性が似ている新たなユーザーをLINE内で検索し、オーディエンスの規模を広げながら広告を配信する機能です。
例えば、過去に商品を購入したユーザーをソースオーディエンスとして設定し、似た属性を持つ新たなターゲット層に広告を配信することで、商品を購入する可能性が高いユーザーに効率的にアプローチできます。
類似配信には、「自動設定」と「手動設定」の2つの選択肢があります。「手動設定」では、類似オーディエンスの規模(ターゲットとなる母数)を1%から15%の範囲で設定できます。
類似オーディエンスのサイズが1%の場合
ターゲットユーザーの類似度が高くなり、広告に対する反応やコンバージョンの確度も高くなります。ただし、リーチできるユーザー数は少なくなります。
類似オーディエンスのサイズが15%の場合
より広範囲なユーザーにリーチできるため、広告の配信対象となる母数は増加します。しかし、類似度は低くなり、コンバージョンの確率は下がる可能性があります。
4.自動ターゲティング

画像引用元:自動ターゲティングを利用する- LINEヤフーfor Business
自動ターゲティングは、設定したターゲティング条件内でイベント実行(クリック、コンバージョンなど)が見込めるユーザーを探し最適なオーディエンスを自動で生成する機能です。
自動ターゲティングの特徴
自動ターゲティングは、以下のようなターゲティングセグメントを設定できます:
- 年齢
- 性別
- 地域
- OS(オペレーティングシステム)
上記の設定をしなくても、自動ターゲティングは機能します。ターゲティングの範囲を限定したくない場合や、広範囲にアプローチしたい場合でも問題なく使用できます。
自動ターゲティングの仕組み
自動ターゲティングは、設定を「ON」にした後、広告を配信し、最大48時間以内にイベント(例えばクリックやコンバージョン)の実行が見込めるユーザーを自動で探索します。そして、最適なオーディエンスに向けて広告を配信します。例えば、「クリック数の最大化」を目指す場合、システムは「クリックが見込まれるユーザー」を自動的に探し出し、広告を配信するという流れです。
除外オーディエンスとの併用について
自動ターゲティングを使用する際、オーディエンスの規模が小さくなる可能性があるため、除外オーディエンスを同時に設定することは推奨されていません。
なお、自動ターゲティングは以下のキャンペーン目的と入札方法でしか利用できません。

画像引用元:自動ターゲティングを利用する- LINEヤフーfor Business
LINE広告のターゲティング活用パターン例
ここでは実際に、上記で紹介した4種類のターゲティングを活用する例を紹介します。下記4つのケースを参考に、自社が広告を配信する場合に有効となるターゲティングをイメージしてみましょう。
- 例1:アプリ会社:英語アプリのダウンロード数を増やしたい
- 例2:不動産会社:新規契約者向けのキャンペーンで契約を増やしたい
- 例3:化粧品会社:アンティエイジング美容液の新着情報を届けたい
- 例4:旅行会社:海外旅行についての資料請求を増やしたい
例1:アプリ会社 - 英語アプリのダウンロード数を増やしたい
- ターゲット:10代〜60代、男女、〇〇市に住む
- ターゲティング:年齢セグメント、性別セグメント、地域セグメント、趣味・関心セグメント、属性セグメント
アプリ会社が「英語学習アプリ」のダウンロード数を増加させたい場合、オーディエンスセグメント配信が効果的です。理由は、年齢や性別、地域に加え、「語学学習に興味がある」「海外旅行に興味がある」といった特定のユーザー層にターゲティングを絞り込めるためです。
例えば、20代後半から30代前半の英語学習に関心があるユーザーをターゲットにし、「アプリを利用することで6ヶ月以内に会話レベルまで上達する」といったメッセージを組み込むことで、より効果的なアプローチができるでしょう。
例2:不動産会社 - 新規契約者向けのキャンペーンで契約を増やしたい
- ターゲット:20代〜30代、男女、〇〇市周辺に住む
- ターゲティング:年齢セグメント、地域セグメント、属性セグメント
不動産会社が「新規契約者向けのキャンペーン」を実施して契約数を増加させたい場合、オーディエンスセグメント配信や類似配信を活用するのが効果的です。
例えば、20代や30代の引っ越しが多い年代ユーザーをターゲットにして、キャンペーンの詳細や特典を盛り込んだ広告を配信することで、契約の促進が期待できるでしょう。
例3:化粧品会社 - アンティエイジング美容液の新着情報を届けたい
- ターゲット:40代〜60代、女性、シワや加齢が気になる
- ターゲティング:年齢セグメント、性別セグメント、趣味・関心セグメント
化粧品会社が新しい「アンティエイジング美容液」の情報をターゲットユーザーに届けたい場合、オーディエンスセグメント配信や類似配信が効果的です。
例えば、40代〜60代の美容やコスメに関心のある女性をターゲットにすることで、商品の特長や効果をアピールできます。また、過去にアンティエイジング系のスキンケア商品を購入したユーザーを基に、類似したユーザー層に広告を配信することで、商品の認知度を高めることが可能です。
例4:旅行会社 - 海外旅行についての資料請求を増やしたい
- ターゲット:20代~40代、50代〜70代など
- ターゲティング:年齢セグメント、趣味・関心セグメント、属性セグメントなど
旅行会社が「海外旅行の資料請求を増やしたい」と考えている場合、オーディエンスセグメント配信とオーディエンス配信を組み合わせるのが効果的です。まずは、属性で絞り込んだうえで、旅行に関心のあるユーザー層(例えば、過去に旅行関連の情報を検索したユーザーや、過去にWebサイトを訪問したユーザー)に広告を配信します。これにより、効率的に資料請求数を増加させることができます。
LINE広告のターゲティング設定で気をつけるべきポイント3つ
ここでは、ターゲティング設定を行う上でマストで気をつけるべきポイント3つを紹介します。
- ターゲットを絞りすぎないようにする
- ターゲット設定を慎重に行う
- 同じユーザーに繰り返し広告を表示しない
ターゲットを絞りすぎないようにする
LINE広告において、ターゲットを絞りすぎないことは最も重要なポイントの一つです。ターゲットを絞りすぎると、広告がコンバージョンに繋がる可能性のあるユーザーに届かないリスクがあります。せっかく広告クリエイティブに時間をかけても、「広告がターゲットに届かない」と、時間や広告費用が無駄になってしまいます。
特に、「ターゲティングの設定が最適かどうか分からない」といった場合は、無理にターゲティングを狭めるのは避けましょう。最初はターゲットを広めに設定し、広告運用を通じてパフォーマンスを分析しながら、徐々にターゲットを絞り込んでいくことをお勧めします。
ターゲット設定を慎重に行う
ターゲット設定を間違えると、無関係なユーザーに広告が表示され、広告効果が薄れてしまう恐れがあります。そのため、ターゲット設定は慎重に行い、細かく設定することが重要です。
年齢や性別だけでなく、「ユーザーが抱えている悩みは何か」「ユーザーが具体的に探しているものは何か」など、ユーザーのニーズや行動を深く考察し、ターゲット設定を行いましょう。
同じユーザーに繰り返し広告を表示しない
特定のユーザーをターゲットにした広告が繰り返し表示されると、ユーザーに不快感を与える可能性があります。最悪の場合、「またこの広告か」といった感情を抱き、会社やブランド自体に対して嫌悪感を持たれてしまうことも考えられます。過剰な広告配信を避けるためには、同じユーザーに必要以上の広告が表示されないよう、適切にコントロールすることが重要です。
同じ広告の繰り返し表示を避けるためには、「フリークエンシーキャップ」を設定する方法があります。
フリークエンシーキャップとは ; ユーザーに対して広告接触回数の上限を設定する機能
LINE広告では「現状のフリークエンシー」を直接確認することはできませんが、「フリークエンシーキャップの設定」は可能です。LINE広告においては「リーチ&フリークエンシー」と呼ばれ、LINEVOOMでのみ利用することができます。
【関連記事】フリークエンシーとは│適切な回数やリーチとの違い、設定方法を解説
LINE広告のターゲティングに関するよくある質問(F&A)
ここでは、LINE広告のターゲティングに関するよくある質問をまとめてみました。
- LINEのターゲティングの種類は?
- LINEのセグメント配信とは?
- 「みなし属性」とは?
- LINEのクリックターゲティングとは?
- 特定の曜日・時間帯だけに広告を配信することはできますか?
- LINE広告の「自動ターゲティング」とは?
1) LINEのターゲティングの種類は?
LINE広告では、主なターゲティングは以下の4つです。
- オーディエンスセグメント配信:ユーザーの年齢、性別、地域などの基本的な属性(みなし属性)を元に、特定のセグメント(グループ)に対して広告を配信
- オーディエンス配信:Webサイト訪問歴などのユーザーデータをもとにオーディエンス(ユーザーのグループ)を作成し、対象のユーザーに広告を配信
- 類似配信:既存の顧客データをもとに、似た属性を持つ新たなユーザーをターゲットに広告を配信
- 自動配信:LINE広告が自動的に最適なターゲットユーザーを選定して広告を配信
2) LINEのセグメント配信とは?
セグメント配信とは、属性をもとにユーザーを複数のセグメント(グループ)に分けて広告を配信する方法です。例えば、ユーザーの年齢や性別、興味関心に基づいてセグメントを作成し広告を配信できます。
3)「みなし属性」とは?
「みなし属性」とは、LINE広告において、ユーザーの行動やデータに基づいて推測される属性のことを指します。例えば、LINEの利用履歴や過去の購買データなどから、ユーザーが「旅行好き」や「美容に関心がある」といった属性がみなされます。
4) LINEのクリックターゲティングとは?
クリックターゲティングは、ユーザーが過去にクリックした広告やコンテンツを基にターゲティングを行う方法です。
5) 特定の曜日・時間帯だけに広告を配信することはできますか?
はい、LINE広告では特定の曜日や時間帯に広告を配信する設定が可能です。例えば、平日の昼間にオフィスで働くユーザーをターゲットにして、旅行関連の広告を配信することができます。
6) LINE広告の「自動ターゲティング」とは?
自動ターゲティングは、LINE広告がユーザーのデータを基に自動的に最適なターゲット層を選定し、広告を配信する機能です。ユーザーの行動履歴や属性を元に、最も効果的と思われるターゲットグループを自動で作成してくれるため、手動でのターゲティング設定を省けます。
最後に:ターゲティングは絞りすぎに注意
今回は、LINE広告におけるターゲティング4種類(オーディエンスセグメント配信、オーディエンス配信、類似配信、自動配信)について紹介しました。LINE広告は現在、LINEの利用者数は約9,700万人に達しており、日本の人口の約90%以上がLINEを使っていると言われています。膨大なユーザーデータをもつLINEだからこそ実現できる精密なターゲティングですが、ターゲットの絞りすぎには注意が必要です。
ただし、ターゲティングの設定には注意が必要です。ターゲットを絞りすぎることで、確かにコンバージョン率は向上する可能性がありますが、絞り込みすぎると見込み顧客を逃してしまうリスクもあります。広告配信時には、「誰に届けたいのか」「誰に届けるべきなのか」を意識し、まずは広いターゲティングから始めることをおすすめします。広告配信後にパフォーマンスを分析しながらターゲティングを徐々に絞り込んでいくことで、広告費用の無駄を最小限に抑えることができるでしょう。
株式会社free web hope はCX(顧客体験)とデータサイエンスを広告戦略に組み込み事業成長を支援する広告代理店です。長年の経験で積み上げた独自のフレームワークで、データサイエンスに基づく予測分析と市場調査を行い、「顕在層」だけでなく「準顕在層」にまで視野を広げ戦略的運用を提供しています。広告運用でお悩みでしたらまずはfree web hopeに!公式HP、左下のボタンからお悩みをお聞かせください。
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監修者:古瀬純功
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