YouTubeにおける「ショート広告」とは?
YouTubeショート広告は、最大60秒の縦型(9:16)の短い動画で、YouTubeの「ショート動画」として知られ、インスタグラムでは「リール」と呼ばれています。
この縦型動画の形式は、コロナ禍における「TikTok」の流行をきっかけに急速に広まりました。この縦型動画形式は、コロナ禍における「TikTok」の人気をきっかけに急速に普及しました。自宅で過ごす時間が増えた背景や、「強制的に広告を見させられることがない」という特徴が、視聴者にとって魅力的となり、人気を集めるようになりました。さらに、インターネット接続されたテレビでYouTubeを視聴する国内ユーザーは3800万人を超え、YouTubeショートの1日あたりの平均視聴回数は前年比2倍以上に増加したというデータもあります。
YouTubeショート広告の特徴
Youtubeショート広告は、たくさん配信されても視聴者にストレスを与えにくいのが特徴です。また、ユーザーが「3分だけスクロール」といった軽い気持ちでYoutubeショートを開き、サクッと広告を流し見できるのも、ショート広告ならではの特徴です。さらに、もし一度広告をスキップしても、再度スクロールしてその広告に戻って視聴することができるので、アクションに繋がりやすいという特徴があります。
加えて、Youtubeの利用者数は世界で25億人を超え、日本国内では約7,940万人に達しています。(2024年7月時点)、そのうち 2,680 万人以上(2023年時点)が 45 歳から 64 歳のユーザーであることから、Z世代などの若年層だけではなく、幅広い世代にリーチできることがYoutubeショート広告の特徴でもあります。
>> Youtube広告とは?仕組みや課金形態、5つの広告フォーマットについて紹介
YouTubeショート広告の入稿規定について
以下は、Googleで推奨されている規定と、承認される範囲の規定をまとめたものです。
基本的には、Googleで推奨されているものに従うと良いでしょう。
Youtubeショート広告は、最大60秒で配信できる広告ですが、Googleは6秒~60 秒の広告の長さを推奨しています。
セーフゾーンについて
YoutubeやTiktokなどの縦長動画には「セーフゾーン」というエリアが存在します。セーフゾーンとは、どのデバイスで動画を視聴しても、ロゴやテキストが必ず表示されるエリアのことです。
Googleで決められているセーフゾーンは以下。
引用:スクエア動画や縦長の動画を使ってモバイル ユーザーにアプローチする ー Google広告の切り抜き
このとき、オーバーレイやボタン、行動を促すフレーズなどは、画面のサイズやフォーマットに応じて異なる場所に表示されるため、配置に注意が必要です。伝えたい要素が画面外に隠れないように、「赤色」で示されたセーフゾーン内にロゴや商品、字幕を配置することを意識しましょう。
4ステップ|今すぐできるYouTubeショート広告の出し方
- 【ステップ1】Gogole広告で「新しいキャンペーンを作成」
- 【ステップ2】キャンペーン目標・タイプ設定する
- 【ステップ3】入札戦略・ターゲティング設定
- 【ステップ4】動画を「追加」または「作成」
【ステップ1】Gogole広告で「新しいキャンペーンを作成」
まずGoogle広告にログインし、管理画面を開きます。「キャンペーン」タブから「新しいキャンペーンを作成」をクリックしましょう。
【ステップ2】キャンペーン目標・タイプ設定する
画面が以下に切り替わったら、「キャンペーン目標」を選択します。ここでは例として、「ブランド認知度と比較検討」選択し、進めていきます。次に、キャンペーンタイプの「動画」を選択してください。
キャンペーンのサブタイプは、目標に応じて「動画再生回数」か「動画のリーチ」を選択します。
目標の「効率的なリーチ」を選択し、右下の「続行」をクリックしましょう。
続いて、キャンペーン名です。こちらは任意ですのでそのままでも変えても良いですが、わかりやすいように変更しておくと管理がしやすくなると思います。
「広告フォーマット」の下は、「Youtubeショート広告」のみを選択します。デフォルトではインストリーム広告とインフィード広告も選択されていますが、今回はショート広告なのでチェックを外しておきます。
【ステップ3】入札戦略・ターゲティング・その他設定
入札戦略・予算設定
ここでは、入札戦略は「目標インプレッション単価」として固定されていますので、そのままで大丈夫です。予算は、「キャンペーンの合計」(キャンペーン全体にかけられる予算)か「日付」(指定した期間全体)から設定しましょう。さらに、必要に応じて広告配信の開始日と終了日を設定しましょう。
その他設定
ネットワークは「YoutubeとGoogle」のチェックボックスにチェックを入れます。地域設定は、対象となるターゲットオーディエンスに応じて行なってください。
その他の設定になりますが、こちらでは以下が設定できます。
- デバイス
- フリークエンシーキャップ
- 広告のスケジュール
- 第三者による測定
全てデフォルト設定のままで大丈夫ですが、「広告スケジュール」はターゲットオーディエンスの特徴に応じて設定しておくと広告効果が上がる可能性があります。
例えば、サラリーマン向けの場合、仕事終わりに電車で見ると仮定して、夜の時間帯にするなど設定することができます。
ターゲティング設定
他の広告と同じく、ショート広告でもターゲティング設定が可能です。広告を届けたいオーディエンスの特徴をイメージし、細かく設定していきましょう。ここでターゲティング設定を誤ってしまうと、今後の広告パフォーマンスに大きく影響が出る場合があるので、慎重に行いましょう。
ターゲティングについて詳しく知りたい場合は、以下の記事をご参考ください
【関連記事】
>> Google広告オーディエンスターゲティングとは?セグメント種類や設定方法など解説
>> 【2024年最新】Google広告のターゲティング種類一覧と設定方法を徹底解説!
「オーディエンスの拡大」は、ターゲットとなるオーディエンスや配信面以外にも配信を拡大したい場合は、ONにするとよいでしょう。ターゲットにのみ配信したい場合は、OFFといった具合で、広告目的やニーズに応じて対応してください。
【ステップ4】動画を「追加」または「作成」
上記の設定が終わり、間違いがないか確認したのち、ショート動画を追加します。もし、Youtube上に動画がアップロードされていない場合は、「広告の作成(詳細)をスキップ」をクリックしましょう。Youtubeにアップロードするショート広告が完成したら、後から動画広告を追加できます。
今回は、Youtubeへ既にショート動画がアップロードされていると仮定して説明していきます。
「🔍」のタブへ広告配信したいショート動画のURLをコピペしたら、右側にプレビューが現れるので、正しく動画が選択されていることを確認したら、設定に移りましょう。
「最終ページURL」には会社のランディングページを、表示URLには、広告と共に表示したいURLを入力します。(例えば、表示 URL が www.example.com/kobeの場合、最終ページ URL は example.com/kobe.wagyuのようになります)
「行動を促すフレーズ」のチェックボックスにチェックを入れると入力欄が表示されるので、ここに日本語で5文字いなで入力します。CTA(行動を促すフレーズ)は「今すぐ購入」「専門家に相談」などを入力すると、ユーザーのアクションを促すことができます。
加えて、「広告見出し」や「長い広告見出し」、「説明文」を入力しましょう。
なお、「コンパニオンバナー」は、初期設定のままで大丈夫です。
最後に、広告の入札単価を設定しましょう。「目標インプレッション単価」が選択されている場合は、広告が1,000回表示されるごとに課金される上限単価となります。
全ての入力内容を確認し、間違いがない場合は「キャンペーンの作成」をクリックし、設定完了です。
YouTubeショート広告が効果的な理由
YouTubeショート広告は、短い時間で多くの人にリーチでき、視聴者に強い印象を残しやすいです。忙しい日常の中で「スキマ時間」を使って動画を楽しむ人が増えたこと、「おうち時間」が増えたことから、ショート動画業界は急激に成長し続けています。特にYouTubeショート広告が効果的な理由は、以下のポイントがあります。
- 若年層を中心とした高いリーチ力
- 「すきま時間」へのリーチで高いエンゲージメント率が期待できる
- 短時間で記憶に残る広告を配信できる
若年層を中心とした高いリーチ力
Youtubeショート広告は、若年層への抜群のリーチ力が特徴です。YouTubeショート動画は、特に10代から20代の視聴者層に絶大な人気を誇り、若年層をターゲットとする企業にとって、商品やブランドを訴求する絶好のプラットフォームとなっています。
Statistaの2024年3月時点の調査では、15~19歳の約58%が1日に30分以上縦型動画を視聴していると回答。さらに、20~29歳でも「30分以上」に該当する割合が36%に上っています。一方で、30分未満の短時間視聴に目を向けると、20~64歳の世代で20%以上が縦型動画を視聴しており、ショート動画の人気は若年層だけにとどまらず、広範な世代に支持されていることがわかります。このことから、ショート広告は多様な世代へのアプローチ手段としても有効です。若年層に特化した戦略を組むのはもちろん、幅広い年齢層にも効果的にアプローチできる広告手法として、今後も注目が集まりそうです。
「すきま時間」へのリーチで高いエンゲージメント率が期待できる
ショート広告は、視聴者の「すきま時間」に自然に溶け込むのが特徴です。通勤や通学、休憩中、就寝前など、多くの人がちょっとした空き時間にスマホで動画を見ています。このタイミングで表示されるショート広告は、短くシンプルなのでストレスを感じさせず、「また広告かよ」と思われにくいのがポイントです。さらに、ショート広告はYouTubeショート動画の一部として配信されるため、視聴者に広告感をあまり与えません。このため、最後まで視聴されることが多く、視聴者とのエンゲージメントが深まりやすいです。
短時間で記憶に残る広告を配信できる
Youtubeショート広告は、短い時間で視聴者にインパクトを与え、ブランドのメッセージを効果的に伝えられるのが特徴です。特に若者を中心に「バズる」可能性が高く、注目されています。
短い動画だからこそ視聴者は集中しやすく、飽きさせません。シンプルで目を引くデザインや分かりやすいメッセージを取り入れれば、たとえ数秒でも記憶に残る広告が作れます。また、テンポが良いため視聴者に負担をかけず、最後まで見てもらいやすいのもポイントです。
ちなみに、Googleの調査によれば、YouTubeショートで効果を上げている広告の多くはYouTuberやインフルエンサーが作成したものだそうです。「DIY感」や「素朴さ」を活かした動画は、視聴者に親しみを持たれやすいとされています。
参考:To stand out in the Shorts feed, make ads that blend in
YouTubeショート広告|よくある疑問と解決策
Q1: YouTubeショート広告はどう課金される?
YouTubeショート広告では、「インプレッション」、「視聴」、「エンゲージメント」に基づいて課金されます。
「視聴」がカウントされる条件は以下の通りです:
- 自動再生が10秒以上経過
- 広告がクリックされた場合(ループ再生時も1回のみカウント、CTAをクリックした場合で一時停止は含まれない)
- 広告が6秒以上で、10秒未満の広告が全視聴された場合
なお、「CPM(インプレッション単価)」入札設定をしている場合、広告が1,000回表示されるごとに料金が発生。「エンゲージメント」は、ユーザーが広告を5秒以上視聴するか、CTAをクリックした場合に発生します。
Q2: YouTubeショート広告のパフォーマンスを分析する指標は?
ショート広告のパフォーマンスを評価する際は、広告の目的に応じて以下の主要な指標に注目します。
- 視聴率
- クリック率
- インプレッション数
- ユニークユーザー数
- エンゲージメント
- コンバージョン率
まず、視聴率は広告が最後まで再生された割合を示し、クリエイティブの質を測る大事な指標です。「クリック率」は広告がクリックされた割合で、視聴者の関心度を知るために役立ちます。さらに、「インプレッション数」や「ユニークユーザー数(リーチ)」は、どれだけ多くの人に広告が届いたかを示し、広告の露出を評価するための重要な指標です。これらのデータはGoogle広告の管理画面で簡単に確認できます。広告パフォーマンスを定期的にチェックして、PDCAサイクルを回しながら最適化していくことが、効果的な広告配信には欠かせません。
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Q3: 視聴率が伸びないのはなぜ?
視聴率が伸びない原因は、「広告内容」や「ターゲット設定」あります。以下の方法で改善できます。
- 広告内容の改善
- 短い広告ほど視聴率が高くなります。例えば、20秒の広告で30秒分のメッセージを伝えるようにしてみる
- 序盤の工夫や行動を促すフレーズを変更してみる
- 複数の広告をローテーションで使い、飽きられないようにする。
- ターゲティングの見直し
- 間違ったターゲット設定: 適切なターゲットを設定しないと、視聴されずスキップされがちです。
- ターゲットの範囲を広げる: 限定しすぎると広告が見逃されることがあるので、少し広げてみる
まとめ:YouTubeショート広告を始めるなら今がチャンス
今回は、YouTube広告の「Youtubeショート広告」について解説しました。YouTubeショート広告は、短い時間で多くの人々にリーチでき、視聴者に強い印象を与えることができる優れた広告手法です。特に、若年層をターゲットにした高いリーチ力や、通勤時間や休憩時間など「すきま時間」を狙って配信することで、ユーザーとのエンゲージメントを高めやすい特徴があります。広告の配信が他の広告よりも手軽で、企業にとっても導入しやすいため、今すぐにでも始められるのが、ショート広告の最大の魅力でしょう。
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