そもそも、リード獲得広告とは?
まず、リードとは、「自社の商品やサービスに興味を持った顧客になりそうな見込み客」のことを指します。リード獲得広告は、簡単にいうと「見込み客の個人情報収集のための広告手法」です。リード獲得広告はMETA(Facebook, instagram)、Googleなどのプラットフォームで配信が可能です。
インターネット上で広告を見かけ、タップをした先で待っているページは、LP(ランディングページ)と呼ばれるもので、ユーザーに自社の商品やサービスの第一印象を与える役割を担っています。ですが、リード獲得広告では、顧客がページ遷移(例:広告→ランディングページ)をせずに問い合わせフォームに遷移できるため、顧客が個人情報を入力するハードルが低い、またランディングページを作成しなくても顧客情報を入手できる、という特徴があります。

画像引用:Hubspot
従来の広告とは異なり、広告をクリックすると、その場で入力フォームが表示され、ユーザーの情報を直接収集できる。
リード獲得広告のメリット3つ
- LP(ランディングページ)を作成する手間がかからない
- ユーザーのフォーム入力の負担が下がる
- CRM(顧客関係管理)ツールとの連携が可能
LP(ランディングページ)を作成する手間がかからない
従来、見込み客の情報を集めるためには、ユーザーが初めて自社と接するサイトとなるLP(ランディングページ)を作成し、そこへユーザーを誘導する必要がありました。ただ、LPの作成には、デザイン、コンテンツ作成、コーディングなど、多くの手間と時間、また戦略が必要となります。しかし、リード獲得広告では、広告内に直接入力フォームを表示できるため、LPの作成が不要です。これにより、広告の制作時間を大幅に短縮し、迅速なキャンペーン実施が可能になります。
ユーザーのフォーム入力の負担が下がる
これまでは、ユーザーが広告をクリックした後、別のページ(大体はランディングページ)に移動し、フォームに入力する必要がありました。ですが、ページを遷移する上にフォームを手動で入力するのはユーザーにとって大きなストレスとなり、入力途中で離脱してしまうケースも少なくありません。リード獲得広告では、広告を見たままの状態でフォームに入力できるため、ユーザーの離脱率を大幅に下げることができます。また、FacebookなどのSNS広告では、ユーザーのプロフィール情報が自動で入力される場合もあり、さらに入力の手間を軽減できます。
CRM(顧客関係管理)ツールとの連携が可能
リード獲得広告で集めた情報は、多くの場合、CRM(Customer Relationship Mangement: 顧客関係管理)ツールと連携することができます。CRMツールとは、顧客情報を一元管理し、営業活動やマーケティング活動を支援するツールです。リード獲得広告で収集した情報(氏名、メールアドレス、興味関心など)をCRMに連携することで、パーソナライズされたマーケティングが可能になり、結果として顧客満足度向上を目指せます。
リード獲得広告のデメリット3つ
- スマートフォンユーザーにしか配信できない
- Facebookとの連携でユーザーの負担が増える可能性がある
- ユーザーに伝えられる情報が限られる
スマートフォンユーザーにしか配信できない
リード獲得広告は、現状、スマートフォンでの配信に特化しています。そのため、パソコンでの利用が多いユーザーに対しては、効果的にアプローチすることが難しいという点がデメリットとして挙げられます。特にパソコン利用が多いBtoB企業向けの商品、サービスをリード獲得広告として配信する場合は、ターゲット層の一部にしかアプローチできない可能性があるので注意が必要です。
Facebookとの連携でユーザーの負担が増える可能性がある
Facebookのリード獲得広告では、ユーザーのFacebookプロフィール情報が自動でフォームに入力される機能があります。この機能は、ユーザーの入力の手間を省くというメリットがある一方で、いくつかのデメリットも挙げられます。
まずは、自動でフォーム入力がされるのはあくまでも個人のFacebookとの連携が取れている場合に限るので、BtoB企業に属するユーザーは会社名や会社の電話番号、メールアドレスなど、手動で入力する手間がかかってしまいます。また、InstagramやLinkedinなどからフォーム入力へ移ったが、Facebookとの連携が取れておらず、Facebookのログインやダウンロードなどの工程が増えてしまうと、ユーザーの負担は大きくなり、離脱へつながってしまいます。
ユーザーに伝えられる情報が限られる
通常のweb広告では広告のクリック後、LP(ランディングページ)と言われるページに遷移し、そこで商品やサービスについて詳細に説明します。しかし、リード獲得広告は広告の画面上でリード獲得まで完結します。限られたスペースでしか商品・サービスの情報を提供することができないため、ユーザーに判断材料を十分に与えることができなかったり、急かされているというマイナスな印象を与えたりしてしまう可能性があります。
リード獲得広告に向いている場合・向いていない場合
リード獲得広告の特徴を踏まえた上で、リード獲得広告に向いている場合と向いていない場合を解説します。これらをリード獲得広告を運用するかの判断材料にしてください。
向いている場合
リードの質より数を重視する場合
リード獲得型広告では、ユーザーがより気軽に購入やお問い合わせをすることができるため、他のweb広告より比較的多くのリードを獲得することができます。例えば、BtoB向けのサービスは、商談やSaaSの導入など、検討期間が比較的長くなります。そこで、サービス資料のDLをリード獲得広告で宣伝することで、ユーザーとの接点を増やすことができます。
向いていない場合
PCユーザーが中心の場合
リード獲得広告はスマートフォンユーザーにしか配信することができないため、PCユーザー層にアプローチすることはできません。
商品やサービスについて詳細な説明が必要な場合
リード獲得広告は、広告の限られたスペースで商品やサービスについての説明をしなければならないため、専門性の高い商品など詳細な説明が必要な場合は向きません。
リード獲得広告の設定方法
今回は、Facebookのリード獲得広告を例に、設定方法を解説します。
1. キャンペーンの作成
Facebookの広告マネージャーで新しい広告キャンペーンを作成します、この際、キャンペーンの目的を「リード」に設定しましょう。
2. 広告セットの作成
ターゲットユーザー、予算、スケジュールを設定します。
3. 広告デザインの作成
広告の画像、見出し、本文を作成します。リード獲得広告では、広告画面だけでユーザーに商品購入・申し込みまで誘導しなければなりません。通常のweb広告よりも、より訴求量の強いクリエイティブを作成する必要があります。具体的には、訴求力の高いキャッチ―な見出しや、広告をクリックすることで得られる具体的なメリットを入れると、より効果的になります。
4. リードフォームの作成
獲得したいユーザーの情報(氏名、メールアドレス、電話番号など)を入力項目として設定しましょう。フォームのデザインが複雑だと、ユーザーの離脱を招いてしまいます。なるべくシンプルに、入力しやすいデザインを心がけましょう。フォームは、一度公開してしまうと編集することはできませんので、公開前はダブルチェックを忘れずにしましょう。
リード獲得広告の主なプラットフォームと特徴
リード獲得広告は、Facebook、Google、Instagram、Linkedinなどのプラットフォームでの配信が可能です。それぞれのプラットフォームによって特徴が異なるため、目的に応じて選ぶことが重要です。
【META】Facebook・Instagram

FacebookやInstagram上でのリード獲得広告は、「Meta広告マネージャー」「Meta Bussiness Suite」または「Facebookページ」から作成でき、以下のような場所への配信が可能です。
- Facebookフィード
- Facebookストーリーズ
- Instagramフィード
- Instagramストーリーズ
- インストリーム動画
- Marketplace
ただ、一点注意しておきたいのは、FacebookとInstagramではターゲットとなるユーザーの特徴が異なる点です。Facebookは、30代〜40代向けで、instagram は10代〜20代向けと、媒体によって特徴が異なるので注意しましょう。

参照:総務省情報通信政策研究所 令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書

Googleのリード獲得広告は「リードフォーム表示オプション(リードフォームアセット)」と呼ばれています。検索結果ページやYouTube動画に「問い合わせ」ボタンを直接表示でき、スムーズなリード獲得が可能です。
ただし、リードフォーム表示オプションを利用するには、Googleが定める以下の要件を満たしている必要がありますので注意しましょう。
- これまでGoogleのポリシーに違反したことがない
- デリケートなカテゴリやサブカテゴリではない
- ユーザーのプライバシー ポリシーを定めている
詳しい要件の詳細はGoogle公式サイトを参考にしてみてください。
参考:リードフォーム アセットについてーGoogle公式ヘルプ

LinkedInは、ビジネスに特化したSNSプラットフォームであり、特にBtoBのリード獲得において非常に効果的です。LinkedInは、職業や役職、業種、企業規模など、ビジネスに特化したターゲティングが可能なだけではなく、ユーザーのプロフィール情報(名前、メールアドレス、会社名、役職など)が自動入力されるため、ユーザーは最小限の手間でフォームを送信することができます。
リード獲得広告で成果を出すためのポイント
最後に、リード獲得広告で成果を出すためのポイント3つを紹介します。
1. 明確なユーザーターゲティングをする
年齢、性別、職業、職種、興味関心など、獲得したいユーザーやリードの具体的なイメージを持ちましょう。理想の顧客像を具体的に設定することで、より効果的に広告を運用することができます。また、広告プラットフォームでは様々なターゲティングオプションを提供しています。これらを活用し、より詳細で効果的なターゲティングをしましょう。
2. 簡潔でわかりやすいフォームを設定する
リード獲得広告では、フォームのデザインは重要です。フォームで入力する情報は必要最低限にとどめ、なるべくユーザーの入力の手間を削減しましょう。またプログレスバーを表示し、入力の進捗情報を示すなどの工夫をすることで、さらにユーザーの離脱を減らすことができます。
3. 広告運用の目的を明確にし、効果測定と改善をする
まずはリード獲得広告でどのような成果を達成したいのかを明確にしましょう。この際、具体的な数値目標(kpi)を設定すると、効果測定がしやすくなりおすすめです。
また、広告運用は出稿して終わりではありません。定期的な効果測定と、結果に基づく改善のサイクルを回すことが必要です。kpiの達成状況をモニタリングし、広告運用方法やクリエイティブの見直しをしましょう。
リード獲得広告はインハウス運用?広告代理店に依頼?それぞれのメリット・デメリットを解説
リード獲得広告の運用方法は大きく分けて、自社で行う「インハウス運用」と、外部の専門企業であ広告代理店に依頼する「代理店運用」の2つがあります。それぞれにメリット・デメリット、費用感、特徴などがあるため、自社の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。この章では、インハウス運用と広告代理店依頼のメリット・デメリットを解説します。
インハウス運用
メリット
- 費用を抑えられる
外部への委託費がかからないため、費用を削減することができます。
- リード獲得広告は比較的簡単に出稿できる
リード獲得広告は他のweb広告と比較し、ランディングページを作成する必要がないため、比較的簡単に出稿することができます。
- 柔軟な対応
自社の状況に合わせて、迅速かつ柔軟に広告運用を変更することができます。また何か問題が発生した際も、即時に対応することができます。
- ノウハウ蓄積
自社で運用することで、広告運用のノウハウを蓄積し、長期的な視点で広告戦略を立てることができます。
デメリット
- 専門知識が必要
リード獲得広告のプラットフォームの知識、データ分析能力、マーケティングスキルなど、専門的な知識が必要となります。また、リード獲得広告はランディングページを作成する必要がない分、広告でリード獲得まで誘導する必要があります。そのような訴求力の高い広告を作成するには、高いユーザー分析力やデザイン力が必要になります。
- 時間と手間がかかる
広告の作成、入稿、データ分析など、多くの時間とリソースがかかります。
- 人的・物的リソースが必要
専門知識を持った人員や分析ツール・研修の導入が必要になります。また広告は出稿して終わりではなく、継続的なモニタリング・改善をしなければ、その効果を高めることはできません。
自社でこれらのリソースを確保することが難しければ、広告代理店への依頼を検討してみてください。広告代理店には広告の運用に関するすべての段階はもちろん、広告クリエイティブの作成やデータ分析など、自社でが苦手とする段階を選択して依頼することもできます。
インハウス運用が向いているケース
- 広告運用のノウハウを蓄積したい
- 費用を極力抑えたい
- 柔軟な運用をしたい
広告代理店へ依頼する
メリット
- 専門的な知識と経験
広告代理店はあらゆる商材に関する広告運用の豊富な経験とノウハウを持っているため、効果的な広告運用が期待できます。前述の通りリード獲得広告は訴求力の高い広告を作成しなければなりませんが、広告代理店の高い分析力やデザイン力を活かすことができるでしょう。
- 多様なサービス
広告クリエイティブ制作やデータ分析など、幅広いサービスを提供してくれます。また一部のサービスだけを利用することができる場合もあるため、「ここだけ任せたい」と自社でノウハウがない部分だけを依頼することができます。またリード獲得広告だけではなく、ランディングページやウェブ記事などwebマーケティング全般に関する知識も豊富に持ち合わせています。
- 時間と手間を削減
広告運用業務を外部に委託することで、自社の業務にリソースを割き、結果的に事業の成長につながる可能性があります。
デメリット
- 費用が高い
広告費に加えて、代理店への手数料がかかります。特に広告の予算が制限されている場合は、資金運用が難しくなるでしょう。
- 自由度が低い
代理店に委託するため、自社の意図が十分に伝わらなかったり、問題に柔軟な対応をすることが難しくなったりする可能性があります。
広告代理店への依頼が向いているケース
- 専門的な知識や経験がない
- なるべく早く成果を出したい
- 質の高い運用を目指している
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リード獲得広告の運用を広告代理店に依頼する際のポイント
代理店選定時には、以下の観点から「自社に最適な代理店かどうか」を判断する必要があります。
- 実績:
- 自社と似た業界や業種の経験があるか。
- 自社と似た商品・サービスの広告運用実績があるか。
- 過去の広告キャンペーンでどのような成果を上げているか。
- ノウハウ:
- ユーザーの目を惹く広告クリエイティブ作成ができるか。
- 広告効果のデータを正確に測定し、改善に繋げられる分析力があるか。
- サポート体制:
- 担当者の経験やスキルレベルはどうか。
- 定期的な進捗報告や、疑問点への対応は迅速に行ってくれるか
- 状況に応じて、柔軟な対応をしてくれそうか。
- 契約内容:
- 最低契約期間はあるか。
- 中途解約した場合の違約金などは発生するのか。
- アカウントは開示されるのか。
リード獲得広告の代理店選定では、安さや実績だけでなく、実績の内容や契約内容をしっかりと確認することが重要です。 安価なプランに惹かれるかもしれませんが、実績が乏しかったり、自社の案件に合わない場合は、費用対効果が低い結果となる可能性があります。また、実績が豊富であっても、その実績が自社の業界や商品・サービスに合致しているか、契約内容が自社の要望を満たしているかなどを慎重に検討する必要があります。契約書には、報酬体系、成果の定義、報告内容、解約条件などが明記されているかを確認し、不明な点は必ず事前に質問するようにしましょう。
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監修者:古瀬純功
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